2016年1月30日土曜日

アメリカ海軍の戦略構想 ~「国防圏」をどう維持するのか?~

米海軍トップが新たな戦略構想を発表
「情報」をさらに重視し、ロシアと中国を警戒
 下平 拓哉 2016.1.19(火)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45797

(しもだいら たくや) 米海軍大学客員教授、防衛省海上幕僚監部防衛部 1等海佐。 防衛大学校(電気工学)卒、筑波大学大学院地域研究研究科(地域研究学修士)、アジア太平洋 安全保障センター(APCSS)(エグゼクティブ・コース)、国士舘大学大学院政治学研究科(政治学博士)。護衛艦いしかり艦長、護衛艦隊司令部作戦幕僚、統合幕僚監部防衛交流班長、第1護衛隊群司令部首席幕僚兼作戦主任幕僚、幹部学校第2教官室長、同校防衛戦略教育研究部課程管理室長などを経て、現職。専門分野は非伝統的安全保障、米国戦略、終戦外交。
米海軍作戦部長、ジョン・リチャードソン大将(出所:米海軍)

201615日、米海軍のトップである米海軍作戦部長、ジョン・リチャードソン(John M. Richardson)大将が「海上優勢を維持するための構想」(A Design for Maintaining Maritime Superiority)を発表した。2015918日に就任して以来、初の戦略ガイダンスの発表である。この戦略構想は、主として「戦略環境」「判断基準」「4つの努力」について書かれている。ここではその概要を紹介し、戦略としての特徴について若干のコメントを述べてみたい。
「海上優勢を維持するための構想」を説明する8ページから成る冊子
米海軍を取り巻く戦略環境
本戦略構想は、戦略環境に大きな変化を与えている要因として、第1に「海洋システムと情報システム、テクノロジーの進展とそれらの相互作用」、第2に「ロシアおよび中国の急速に発展する軍事能力」を挙げている。
 具体的には、まずグローバル経済の拡大に伴う海上交通の増大、新たなテクノロジーの進展に伴う北極海航路の開発や水中資源開発、その他、移民の増大や禁制品の輸送などによって、伝統的な海洋システムはこれまで以上に重要度が増すとともに、争われるようになってきている。
 また、情報システムの進展により人々の繋がりが拡大し、変化のスピードは急速である。さらにテクノロジーの進展は、情報システムにとどまらずロボットやエネルギー貯蔵、人工知能などにまで加速度的な広がりを見せている。そして、これら海洋システム、情報システム、テクノロジーという3つの相互作用がより大きな影響を及ぼしている。
 第2に、米国は、25年ぶりに大国間競争に直面している。ロシアと中国は、急速に軍事的能力を発展させ、米国の弱点を突いた高性能な戦闘能力を追求しており、それとともに強制的で競争的にもなっている。なかでも、中国海軍は、世界中に展開しようとしている。
 さらに、ロシアと中国の台頭に加えて、北朝鮮やイラン、国際テロへの対策も迫られている。そうした状況の中で米海軍は特に高度なテクノロジーを取得することにより、上記の3つ要因を利用しようとしている。
決定を下し行動に移す際の判断基準
本戦略構想は、米海軍の判断基準について次のように記している。
 米海軍がおかれた戦略環境はこれまでにない非常に「複合的な(Complex)挑戦」を受けている。したがって、指揮官の意図を体した分散型の作戦について準備しなければならず、そこでは明確な理解に基づいた信用と信頼が求められている。米海軍がプロフェッショナルとして決定を下し、行動に移す際の判断する基準は次の4つである。
1)誠実
 集団、個人および公然、非公然を問わず、プロとしての行動をとること。
2)説明責任
 問題を明らかにして任務を完遂し、それを正直に評価して、必要に応じて調整すること。
3)主導
 最善を尽くせ。進んで問題解決の姿勢をとり、広く意見を聞いて新たな考えを創出すること。
4)忍耐
 厳しい訓練とファイティングスピリットを維持すること。決して諦めるな。
米海軍が集中的に努力する4つのこと
本構想を実行に移すためには、「戦闘」「知的能力の加速」「海軍チームの強化」「パートナーシップの構築」の4つの努力に集中しなければならない。そして、それぞれは緊密に関係し合っている。
1)戦闘
 海上における、そして海上からの海軍力を強化する。特に、戦略原子力潜水艦の維持・現代化、海兵隊との連携強化、電磁気戦・情報戦・宇宙サイバー戦を進展させる。
2)知的能力の加速
 最高のコンセプト、科学技術、手法を適用するために、個人、チーム、組織としての知的能力向上を加速させるとともに、戦闘能力の効率化のため海軍の知的組織を最適化する。
3)海軍チームの強化
 現役、退役軍人、シビリアン、家族からなる海軍チームを強化して将来に備える。「Sailor 2025」を推進する。
4)パートナーシップの構築
 他の軍種や省庁、同盟国、パートナー国のみならず、産業界や学術界、非伝統的なパートナーとの協力関係を強化する。
将来を描くためには「構想手法」が不可欠
以上が米海軍の「海上優勢を維持するための構想」の概要である。本戦略構想の最大の特徴は、「構想(Design)」という言葉を使っていることだ。
 筆者が教鞭を執っている米海軍大学の「統合軍事作戦」(Joint Military Operations: JMO)というセミナーにおいても、様々なケーススタディを考える際に同様の「構想手法」(Design Methodology)を適用している。それは、従来の作戦計画策定要領等では解くことに限界がある、「構造が不明確(ill-structured)で複合的な問題」を解決する糸口を探すために使用される。
「構想手法」では、(1)現在の作戦環境を理解し、(2)問題点を明確化して、(3)将来のための解決策を案出するというステップを踏む。そこで最も重要視されていることが、(1)の作戦環境の理解である。
 わずか8ページの本戦略構想のなかで、「情報」(information)という言葉が17回も使われている。そのことからも、作戦環境を正確に捉えるための情報の重要性が分かる。リチャードソン大将は、就任のわずか3週間後に米海軍大学を訪れ、米海軍大学の重要性と役割について講演で次のように述べた。
「世界の変化は激しいが、長い歴史を有する米海軍大学は、それにシームレスに対応し続けてきた。つまり、様々なやり方で将来の安全保障環境を定義し、どのような将来かを描くのだ」
 より変化が激しく難解な、将来の複合的な安全保障問題を解くためには、将来を描く「構想手法」が不可欠であり、そのためには知的能力を集中し、最大限に加速することが必要なのである。何よりも現下の安全保障環境は、従前の受動的な姿勢では対応の時期を逸し、大きく国益を損なう危険性を孕んでいるほど厳しく急激であることを再認識しなければならない。(本見解は執筆者個人のものであり、防衛省または海上自衛隊の見解を表すものではありません。)
アメリカ海軍新兵募集VTR
中国台頭で変わる米海軍 本格化する国防省対中戦略
岡崎研究所
20160127日(Wedhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/5948

戦略の専門家で、ジョンズホプキンス大学大学院や米海軍大学で教鞭を執るトマス・マンケン教授がインタビューに応じ、米海軍の直面する課題とその将来について語っています。以下は、そのインタビューの要旨です。
冷戦後のシーパワー変化の特徴について
 水上艦や潜水艦、航空機への投資は大規模になるので、数十年にわたる使用を念頭に計画される。だから、現在の米海軍を含む世界の海軍に冷戦期の名残があるのは驚くべきことではない。ただしこの前提は、急速に近代化する中国海軍には当てはまらない。彼らの大部分は冷戦後に整備されたものだからだ。
 冷戦後の大きな変化の1つは、いわゆるA2/ADである。精密誘導兵器やセンサー、指揮統制能力の拡大により、航空機や水上艦は徐々に脆弱になってきている。ゆえに、潜水艦がシーパワーの中でも重要な存在となってきており、今後もそれは続くと思われる。
冷戦後の海軍における技術上の発展・革新について
 最重要分野の1つは無人システムの発展である。それは無人航空機(UAV)にとどまらず、無人水上艇(USV)や無人潜水艇(UUV)についても言える。今後は無人システムが偵察から攻撃まで、様々な分野で活躍することになろう。
 それ以外の分野で実用化が見込まれるのは、洋上で使用する防空・ミサイル防衛用のレーザー兵器やレールガンだ。レーザー兵器はその実用性が実証されれば、(攻撃優位とされている)ミサイルとミサイル防衛のバランスを変化させるかもしれない。レールガンの実用化は、海軍の地上攻撃能力向上に繋がる。
海軍に変化をもたらした要因について
 海軍は、冷戦後、イラク・アフガン戦争時、そして現在と、常に予算削減に直面してきた。その一手段として、能力は控えめでも、数を多く揃えるというコンセプトでLCS(沿海域戦闘艦)のような計画が進められた。
 しかし近年、中国の能力向上や、ロシアの挑発のような外国の軍事発展が海軍の技術を促進するようになっている。中国は海空軍事力の増強に力を入れ、ロシアはミサイル分野、特に洋上発射型巡行ミサイルで世界をリードしている。それは最近のシリア攻撃で見た通りだ。
海軍に600隻規模の艦船が必要という意見について
 海戦において、量と質の両面が重要である。艦船の保有数は、プレゼンスや抑止、同盟国への安心供与の観点から、海軍の重要な役割を担保している。
 だが質も重要となる。プレゼンスや抑止、安心供与は、信頼できる戦闘力に基づいている。LCSのような船舶は比較的安く調達できるが、戦闘力の信頼性が低下しているため、最終的に抑止効果や同盟国への安心供与を弱めている。
民間企業との協力について
 予算制約が続けば、海軍が新技術を開発するのに民間企業に頼る機会は増えてくるだろう。総じて、国防省はアイディアのみならず、開発費についても民間に依存するようになるだろう。
海軍の役割の変化について
 海軍はソ連崩壊以降有力な競争者がいなかったが、戦争の性格が変わるとともに、中国が急速に有力な競争者になっている。この双方が、今後の米海軍のあり方に大きく影響する。
出典:Thomas Mahnken Naval Warfare‘(Cipher Brief, December 20, 2015
URL
http://thecipherbrief.com/article/naval-warfare
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本格化し始めた国防省の対中戦略
 上記インタビューで、マンケン教授は、中国の急速な台頭が、米海軍のありかたに大きな影響をあたえていると述べています。
 マンケン教授は、特にA2/ADの挑戦に立ち向かう必要があり、そのために米国の技術的優越を死守することが重要であると述べていますが、これは、国防省の考えと軌を一にするものです。精密誘導兵器やセンサー、指揮統制能力の拡大により、航空機や水上艦が徐々に脆弱になってきているなかで、レーザー兵器やレールガンの実用化に力を入れているのは、A2/ADを念頭に置いた米海軍の新しい戦略です。
 米政府はアジア・リバランスを明らかにしましたが、このような米海軍の新戦略は、米海軍がアジア・リバランスを実施していることに他なりません。アジア・リバランスはいろいろな側面がありますが、米海軍のアジア・リバランスは、対中戦略の核心です。それは選択によるリバランスではなく、アジアにおける中国の軍事的優位を許さないという、必要に迫られたリバランスです。
 この戦略の裏付けとなるFY2016の国防予算は、一度オバマ大統領の拒否権に直面したものの、最終的には当初要求の99%を満たす計6068億ドルが授権されるに至っています。南シナ海問題やアジア・リバランスの実効性など、オバマ政権の政策には批判的見方も少なくありませんが、今回の国防予算の成立を鑑みるに、将来の対決をも視野にいれた国防省の対中政策はいよいよ本格化し始めていると言えましょう。
 トマス・マンケン教授は、日本での知名度は決して高くありませんが、かつて政策企画担当の国防次官補代理を務め、過去にはQDR4年ごとの国防見直し)やNDS(国家防衛戦略)の立案にも携わった米戦略コミュニティの中心人物の1人です。それを象徴するように、来る3月にはアンドリュー・クレピネビッチの後任として、CSBACenter for Strategic and Budgetary Assessment)の新代表に就任することが決まっています。
アメリカ海軍第七艦隊 世界最強艦隊の全貌
アメリカ海軍、国防総省の戦略構想をふまえた上で、以下の諸氏があげる問題点についてそれぞれ考えをめぐらせていただければと思います。
日米両首脳はなぜ中国の脅威から目を背けるのか
安倍首相もオバマ大統領も現状認識が甘すぎる
北村 淳 2016.1.28(木)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45891
中国・北京の天安門広場で行われた軍事パレードに参加した中国軍の大陸間弾道ミサイル「DF(東風)5B」(201593日撮影、資料写真)。(c)AFP/ROLEX DELA PENAAFPBB News

安倍首相の施政方針演説では、日本を取り巻く緊迫した軍事情勢と、それに対する政府の基本方針が全く語られなかった。さすがに安倍政権寄りの一部日本メディアも、その姿勢には少なからぬ危惧の念を表明していたようである。
 だが、それらのメディア以上に不満を口にしているのが、極東軍事戦略に携わるアメリカの軍事関係者たちだ。
日本を取り巻く不穏な情勢への言及は?
米海軍関係大学院で極東戦略の教鞭をとる退役将校は次のようにこぼす。
「安倍政権は昨年、国民的議論として盛り上がった安全保障関連法案を成立させた。その際、せっかくリーダーシップを発揮した(アメリカの軍関係者たちの目から見てだが)にもかかわらず、その後は日本の具体的な国防政策に目立った動きが見られない。安倍首相の施政方針演説でも、安全保障関連法制に基づいた国防戦略や具体的方針などへの言及がなされなかった。アメリカと違って、スローテンポでじわりじわりと政策転換を進めていくのが“日本方式”なのかもしれない。しかし、日本を取り巻く軍事情勢は急展開している。日本国内の内政問題と違い、相手が外国勢力である軍事外交に“日本方式”は危険ではなかろうか?」
 たしかに、昨年(2015年)末から正月を挟んでのわずかの期間だけでも、以下のような出来事が立て続けに起きている。
1)中国海警局の重武装巡視船が尖閣周辺海域に出没を繰り返す。
2)中国海警局の超大型“モンスター巡視船”が尖閣周辺海域と南沙諸島海域に同時に展開できる態勢が整う。
3)南沙諸島の中国人工島に建設されていた3000メートル級滑走路が運用可能な状況に立ち至った。
4)北朝鮮が水爆実験と称する核実験を実施した。
5)中国人民解放軍が、日本が大金を投じてアメリカと共同配備を進めている弾道ミサイル防衛システムを打ち破る能力を持った極超音速グライダーの開発に成功していたことが確認された。
6)日本を射程圏に収める各種長射程ミサイルを開発し配備する司令塔である「人民解放軍第二砲兵部隊」が「人民解放軍ロケット軍」に改組され、さらに強化された。
7)ロシアが中国人民解放軍に対して、世界最強戦闘機の1つと言われているSu-35戦闘機の本格的な供給を開始した。
 このように日本に直接悪影響を及ぼしかねない軍事情勢だけでも、次から次へと発生しているのである。
 しかしながら施政方針演説では、日本の領土領海が脅かされている東シナ海情勢についてまったく触れなかった。日本に対する様々な軍事的脅威を強めつつある中国人民解放軍についての言及もなされず、南沙諸島をはじめとする南シナ海情勢も無視された。

2013年に本コラムに掲載した人民解放軍の長射程ミサイル(弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル)による対日攻撃態勢図。このような対日攻撃準備は現在も強化されている。そして、移動式地上発射装置によって地上からのミサイル攻撃を担当する「第二砲兵部隊」は20151231日をもって「ロケット軍」に格上げされた。また、日本とアメリカが取り揃えている弾道ミサイル防衛システムを打ち破るための極超音速グライダーも開発されている。
オバマ大統領も中国軍の動向に触れず
南沙諸島での人工島建設や軍事拠点の設置をはじめとする中国による南シナ海支配態勢の加速度的進展状況に関しては、アメリカのオバマ政権も口をつぐんでしまっている。
 安倍首相の施政方針演説に先立つ112日に行われたオバマ大統領の“最後の”一般教書演説(アメリカ版施政方針演説)でも、一般教書演説としては珍しく国防問題に関してはあまり言及がなかった(安倍首相の施政方針演説よりも、演説全体に占める割合は大きいが)。
 さすがにIS(イスラム国)を中心とする対テロ戦争に対しては詳しく言及し、IS壊滅に全力を投入するという意向は明言した。しかしながら、具体的にどのような戦略を実施するかについては語ることはなかった。そしてオバマ大統領は、アメリカ(とりわけ政治サークル)にとって伝統的に東アジア情勢よりも関心が高いイスラエル・パレスチナ問題に対しても触れなかったため、一部の親イスラエル派などでは、「オバマ大統領のイスラエル潰しが加速された」といった反発すら生じている。
 アメリカの大多数の政治家や軍関係者たちにとって最大の国防問題は中東問題・対テロ戦争である。しかし、それらに対してすら、米海軍関係者の口を借りると「ほとんど中身のあることは述べられていない」したがって、オバマ大統領が今回の一般教書演説で、中国や北朝鮮の軍事動向、あるいは中国・北朝鮮周辺の同盟・友好諸国に対する軍事的脅威に関して触れることがなかったのは当然だったと言えよう。
「アメリカは弱体化していない」とオバマ大統領
 もっとも、オバマ大統領は「世界最大規模の軍事予算を支出しており、人類史上最も優れた軍隊を要するアメリカは、依然として世界最強の軍事大国である」と明言した。そして「(中国やロシアなどの)仮想敵国が強力化しつつあるのに反して、アメリカが弱体化している」という“レトリック”は、「間違っているにもほどがある!」と3度も繰り返している。しかしながら、アメリカ海軍関係戦略家たちの間では、アメリカ海軍力の低下が真剣に取り沙汰されている。そして、それ以上に海兵隊や陸軍など地上戦力での戦闘力低下に対する危惧の声が上がっていることも事実である。もちろん、軍内部からのそのような声があがるのは、予算確保と人員削減への牽制、といった思惑がないわけではない。しかしながら、軍事関係シンクタンクや軍教育機関の研究者の多くも、オバマ大統領が切り捨てた「敵勢力が強力化しつつあり、米軍戦力が弱体化しつつある」という“レトリック”を、具体的データを基にして論じている。
 例えば、「中国が南シナ海で人工島を7つも建設した」「軍用滑走路を3本も完成させた」「アメリカ空母を撃破する対艦弾道ミサイルを実用化した」「アメリカの弾道ミサイル防衛システムを打ち破る極超音速グライダーの開発にこぎつけた」といった数々の事実が、今、アメリカの眼前に突きつけられている。
 そうしたいずれの脅威も「世界最強のアメリカ軍にとっては恐れるに足りないため、一般教書演説では無視し去ったということなのだろうか?」と、オバマ大統領の対中姿勢に対する疑問の声も少なくない。
頼みの綱のアメリカが本当に抑止力となるのか?
ある米海兵隊関係者は次のような疑問を呈する。
「安倍政権は、南沙諸島をめぐりオバマ政権がようやく重い腰を上げて踏み切ったFONOP(公海自由航行原則維持のための作戦)への支持を表明している。それにもかかわらず、施政方針演説では南シナ海問題には一言も触れていない。それでいながら、『日米同盟を強化して抑止力を維持していく』ことが安倍政権の国防政策の根幹であると強調していた。日本国防当局は、“沖縄の基地問題”というローカルポリティックス、あるいは地方の不動産問題を解決することが日米同盟強化にとって最大の懸案と思い違いしているのではないのだろうか?」
 たしかに日本政府、とりわけ安倍政権にはあまりにも現状を甘く見ている姿勢が見受けられる。「日米同盟という“枠組み”が波風立たずに維持さえされていれば、アメリカ軍という“虎の威”に中国は恐れをなして、日本に対する軍事攻撃や軍事的圧迫を思いとどまる」と考えていると見なされても致し方がない。
 しかし、いくらオバマ大統領が「現在もアメリカ軍が世界最強である」と強調しても、東シナ海戦域、南シナ海戦域、東北アジア戦域といったように、局地的軍事紛争を考えた場合には「アメリカ軍最強論」こそレトリックにすぎない状況になりつつある。
 今回の安倍首相の施政方針演説だけが日本の国防政策の表明ではないが、「日本自身がどのような国防戦略を実施するのか」という基本方針を明確にしないで、ただ「日米同盟を維持することによって抑止力を確保する」と繰り返しているだけでは、決して真の抑止力は生まれない。

《維新嵐にいわせてください》我が国の場合は、安倍政権や自公与党が有効な安全保障政策を打ち出しても自公のやること自体が気に入らない民主党が「反対勢力」を結集して横やりをいれてきます。
北村氏のいわれることはもっともと思いますが、リベラル勢力が中核にいる政党が野党第1党にいる今の国会の現状では、革新的な安保政策は厳しいでしょう。何といっても「国防軍」の構想がでただけで真っ青になってつぶしにかかる方々がいるくらいです。「自衛隊」という呼称自体がアメリカ追随ということに気づかない日本人が多すぎます。「国防軍」が「普通の」国の安保感覚です。
アメリカは、台湾の戦略的な重要性を忘れていない様子が以下の記事からわかります。戦略的に西の国防線を守ろうとすれば、台湾と沖縄は外せません。尖閣諸島は共産中国が「要塞化」しようとする意図がみえてますから、沖縄と台湾を分断されないようにするには抑えておくべき要衝ですよ。

米対台湾武器売却に中国猛反発
岡崎研究所
20160128日(Thu)  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5950

20151216日、オバマ政権は4年ぶりとなる台湾への武器売却計画を発表。中国側は直ちに抗議をしましたが、1224日付ニューヨークタイムズ紙社説は、売却内容はさして目くじらを立てるほどのものでないとして、次期民進党政権との間で建設的関係の構築に力を入れるべきだ、と述べています。

台湾を大きく凌ぐ中国の軍事力
 オバマ政権が台湾に対する約18億ドルの武器売却計画を発表したことにつき、中国は予想通り騒々しく不満を訴えている。鄭沢光外交部副部長は、米国は米中共同コミュニケを破っただけでなく、中国の主権と安全保障にダメージを与えた、と言っている。
 だが、中国の訴えは大げさである。長らく、米国は台湾に武器を売却してきたし、今回の売却も控えめで驚くにあたらない。より重要なのは、中国の軍事力は台湾のそれを大きく凌いでいるということである。
 今回の売却パッケージには、2隻のフリゲート(オリバー・ハザード・ペリー級)、対戦車ミサイル、機雷掃海用戦闘システム、水陸両用車、通信システムが含まれている。米国からの武器売却は2011年以来となり、これで計140億ドルの兵器が売却されたことになるが、そこには中国を間違いなく怒らせることになるであろう、新型のF-16C/D)や潜水艦は含まれていない。
 もし中国が空爆や侵攻を決断すれば、台湾はそれを撃退できない。それほどまでに中国は自身の軍事能力を向上させている。そうした中、米国の武器供与は、中国に米国と直接対峙する可能性につき、再考を促す材料になっている。
 中国は、武器売却に関わる米企業と取引しないと脅しをかけているが、そもそも米防衛産業は中国への武器売却を禁じられているので、その脅しがどこまで効果があるかは不明である。
 今回の武器売却は、台湾総統選の1ヶ月前という時期に公表された。次期総統選では、中国と距離をとる民進党が勝利すると目されていた。民進党の呉秘書長は、武器売却を歓迎し、台湾の強固な防衛力が中国との関係拡大に更なる自信をもたらすと述べている。
 中国は、両社会の平和と繁栄に寄与するよう、台湾との建設的関係を築くことに注力すべきである、と主張しています。
出典:‘Chinas Tantrum on Taiwan Arms Deal’(New York Times, December 24, 2015
http://www.nytimes.com/2015/12/24/opinion/chinas-tantrum-on-taiwan-arms-deal.html?_r=0
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武器売却は中台軍事バランスに影響を与えるのか
 今回の米国の対台湾武器売却計画の発表に関する中国の抗議が大げさであるというのは、社説の言うとおりでしょう。
 まず、米国は馬英九政権にすでに3回も武器を売却しています。その上、売却武器に新型のF-16C/D)や潜水艦といった攻撃性の高い武器は含まれていません。
 中国と台湾の軍事バランスは、中国の着実な軍事力強化で近年急速に中国に傾いています。中国は数分のうちに台湾の目標に照準を合わせることのできる弾道ミサイルを2,000基近く保有しています。また、対艦弾道ミサイル、衛星攻撃兵器、最新のジェット戦闘機、攻撃型潜水艦など、米国の接近を阻止する兵器を増やしています。台湾の国防部は10月、2020年までに中国が米国の干渉をはねのけて台湾を侵攻する能力を持つであろうとの公式見解を発表しました。
 今回の武器売却は、このような中台間の軍事バランスに影響を与えるものではありません。それにもかかわらず中国が抗議したのは、原則の問題であるとともに、米国が攻撃性の高い武器を台湾に売却することを牽制する狙いがあったものとみられます。

 米国が、台湾の中国に対する軍事力の強化にさして貢献しないレベルの武器の売却をしたのは、いざという場合の米国の台湾防衛へのコミットメントを再確認するという意思表明であったと考えられます。それは、中国に台湾の武力解放を躊躇させるという意味で、台湾にとっても意義のあることです。
アメリカ海軍戦士の歌


零戦、再び日本の空を舞う!~「日米戦争時の名戦闘機」~

零戦、日本の空を飛ぶ 鹿児島・海自基地で試験飛行

さきの大戦中、日本海軍の主力戦闘機だった零式艦上戦闘機(零戦)が平成28127日、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)の上空を試験飛行した。
 機体は1970年代、パプアニューギニアのジャングルで発見し、購入した米国人らが復元した。現在はニュージーランド在住の石塚政秀氏(54)が所有する。

 石塚氏は「零戦の部品の一つ一つに日本人の勤勉さが詰まっている。日本の空を飛ぶことができ、感無量だ」と語った。

零戦、日本の空を飛ぶ 鹿児島・海自基地で試験飛行


復元ゼロ戦、無事に飛行~鹿児島上空を22分間~

2016.1.27 17:44更新 http://www.sankei.com/life/news/160127/lif1601270030-n1.htm

 太平洋戦争中、日本海軍の主力戦闘機だった零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を復元した機体が27日午後、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)で試験飛行した。フライトは6分、16分の2回計22分で、基地の上空を旋回しながら飛んだ。機体は日本人が所有し、資格を持つ米国人が操縦した。

 機体は午後2時15分ごろ、エンジン音をとどろかせながら離陸。2回目の飛行では、最高で高度約1650メートルに達した。
 主催者のゼロエンタープライズ・ジャパン(東京)や同基地の関係者、報道陣が見守り、飛行が無事に終わると、関係者らは握手しながら成功を喜んだ。基地内では一般の見学ができず、フェンス越しに見上げる人の姿もあった。

http://www.sankei.com/life/news/160127/lif1601270030-n2.html

飛んだ機体は1970年代、パプアニューギニアのジャングルで見つかり、修復された。

 所有するニュージーランド在住の会社経営、石塚政秀さん(54)は「日本の空を飛んでくれて、ありがとうという気持ちだ」と感無量の様子。「日本人はこれまで短期間で技術革新を遂げてきた。ゼロ戦を通じて日本の技術力を多くの人に知ってほしい」と話した。

2016/01/29 に公開
石塚政秀氏が推進していた「零戦の日本飛行」のニュースについてお伝えすると共に、当日の映像をダイジェストでお送りします。

元零戦パイロット「仲間は傾きゆく天を支える気持ちだった」鹿児島鹿屋市でテスト飛行、フェンス越しに歓声

2016.1.27 18:42更新 http://www.sankei.com/west/news/160127/wst1601270114-n1.html

翼よこれが故国の地だ-。零式艦上戦闘機(零戦)がテスト飛行した27日、零戦が飛び立った海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)の周辺には、雄姿を一目見ようと、大勢の見物客が訪れた。福岡市在住の元零戦パイロットは、基地を訪れることはできなかったが、「元搭乗員の友人と、零戦が鹿屋の空を飛んだ喜びを分かち合った」と語った。(奥原慎平)
午後2時、零戦のプロペラがエンジン音とともに回り出した。操縦席には米国人パイロット、スキップ・ホルム氏(72)が乗り込む。機体は滑走路を滑らかに加速し、鹿児島の空に飛び立った。滑走路近くのフェンスに集まった、100人近い見物人から歓声が上がった。
 2回目の飛行では最高で、高度約1650メートルに達した。
 この日飛行した零戦は、ニュージーランド在住でフライトジャケット製造・販売会社を経営する石塚政秀氏(55)が所有する。石塚氏は、2010年2月に米国人バイクレーサーから購入した後、日本国内での飛行を目指して、資金集めや、関係省庁との交渉を進めた。
 当初、戦後70年である昨年の実現を目指したが、安全保障関連法案の審議をめぐり、「戦争賛美の誤解を受けかねない」と複数のスポンサーが撤退し、関係省庁も消極姿勢だった。
 石塚氏はようやく飛んだ零戦を見上げ「感無量だ。部品の一つ一つに日本人の勤勉さが詰まっている。飛ぶ姿を見て、今の日本人に自信を取り戻してもらいたい。この機体を、日本のいろいろな場所で飛ばしたい」と語った。


 スポンサーの1人で、埼玉県在住の陸上自衛隊OB、和泉洋一郎氏(66)は「世紀の瞬間に立ち会えた。零戦は日本人の技術力が詰まったものであり、日本人が所有する零戦が飛ぶ姿をみると、感動しきりです」と涙ながらに語った。冠婚葬祭業、サンセルモ(東京)の安田幸史社長は「この感動を多くの人と分かち合いたい。飛行を一般公開してほしい」と述べた。
 福岡市南区に住む、零戦の元搭乗員、池田一彦氏(91)は残念ながら鹿屋に赴くことはできなかった。それでも、零戦が旧海軍ゆかりの鹿屋を飛ぶという話を、搭乗員仲間と電話で語り合ったという。池田氏は産経新聞の取材に「零戦が鹿屋の空を飛んだ喜びを分かち合った。零戦の技術力も知ってほしいが、あの戦争において、傾きゆく天を支える気持ちで戦った仲間の思いを、若い人が知るきっかけにしてほしい。いつか日本人が操縦し、編隊で飛ぶ零戦をみたい」と語った。

《維新嵐感動!》
日本人が所有する零式艦上戦闘機としては、初めて我が国への「凱旋飛行」がかないました。まさに歴史的瞬間だと思います。
太平洋戦争初期(というより初期なら大東亜戦争か)の日本海軍の破竹の進撃を支えたのは、空母を中心とする機動部隊だったわけですが、その制空を担ったのは紛れもなく零戦といえます。
対空レーダーがないとか被弾に弱いなどと酷評されますが、世界の航空技術の発展に大きな影響を与えた名機であることは、誰も否定しようがありません。ある意味「国宝」ですよ。

「平成の零戦」ついに一般公開されました!

元来は、ステルス戦闘機を捕捉するための新型レーダー開発(先進技術)を実証するための機体開発だったのですが、未来の日本の国産戦闘機開発のための試作機という意味合いもあるようです。
どちらにせよ日米戦争後にアメリカ軍によって徹底的に破壊された我が国の航空機技術が、三菱のMRJも同様ですが、少しづつでも「復活」していくことは、国民として本当に喜ばしい限りです。
今後の国産ステルス戦闘機開発への道に大いに期待しています。

2016/01/29 に公開
28日に報道陣に公開された、先進技術実証機(心神)。近年日本が力を入れている,、航空産業の復興への期待と共に、その意義をお伝えします。





2016年1月29日金曜日

北朝鮮の「水爆実験」の実情と弾道ミサイル発射の懸念

第Ⅰ章【北朝鮮核実験の脅威】

データが暴いた「水爆実験成功」のウソ
揺れ小さく米韓など失敗判定

北朝鮮が主張する「水爆実験」の痕跡を調べるため、日本海上空などで塵(ちり)を採取して沖縄県の嘉手納基地に戻る。(米軍の捜索・監視機)

北朝鮮が平成2816日に発表した「水爆実験」をめぐり、米韓などは独自の調査を基に見解を示したが、いずれも水爆にしては爆発規模が小さすぎるとして「成功していない」との判断を示した。ただ、外国から低く評価されると、逆に反発していっそう頑張るのがこれまでの北朝鮮の前例であり、現時点で技術的な問題があっても、確固とした水爆開発の意思が確認された以上、いずれ克服する懸念は消えない。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は7日、実験を「民族史的出来事」として大々的に報じた。(SANKEI EXPRESS

「ブースト型」原爆でも

 ジョシュ・アーネスト米大統領報道官は6日の記者会見で「水爆実験を成功させたとの北朝鮮の主張はわれわれの初期分析と一致しない」と述べた。アーネスト氏は、地震波の分析や関係国の情報に基づき「北朝鮮が核実験を行ったと結論づけた」と説明。一方で「過去24時間に起きたことは、北朝鮮の技術的、軍事的な能力に関するわれわれの評価を変えるものではない」と語り、水爆開発には成功していないとの従来の分析に変わりはないとした。
 また、包括的核実験禁止条約(CTBT)機構準備委員会のラッシーナ・ゼルボ事務局長は、水爆実験を実施したと発表した北朝鮮で6日に観測された揺れはマグニチュード(M)4.8~4.9程度で、2013年の核実験の際のM5.1より小規模だったと述べた。中国科学技術大の研究チームも7日、北朝鮮が6日に行った核実験について、爆発規模は約11.3キロトン(誤差はプラスマイナス4.2キロトン)で、13年の核実験の約12.2キロトン(同3.8キロトン)より小さかったと推計した。


北朝鮮が行った実験は核実験の規模が小さく、水爆ではなく核融合反応を部分的に使い威力を高めた「ブースト型」原爆の可能性が指摘されているが、韓国国防省当局者は7日、ブースト型の実験だったとしても「成功していないと判断している」と述べた。韓国情報機関は実験の爆発規模を6.0キロトンと推定しているが、ブースト型原爆の実験に成功していればこれより大きな破壊力になることが根拠だとしている。
 島根県は7日、北朝鮮の水爆実験の発表後に県内で実施した放射線量の測定結果に異常はなく、核実験による影響は認められないと発表した。県や国、中国電力が設置する計47カ所の放射線監視装置(モニタリングポスト)で日常的に調べており、6、7日の数値に大きな変化はなかったという。

「全国沸く」大々的に報道

 一方、7日付の北朝鮮の労働新聞は、1面に金正恩第1書記が水爆実験実施を命じる文書に署名する写真を大きく掲載、2面に「初の水爆実験完全成功」と題した政府声明を載せるなど、「成功」をことさら強調して大々的に報じた。


労働新聞は3、4面に「実験成功の知らせに触れ全国が沸き立っている」などの見出しで実験を称賛する国民の声を紹介。水爆について「原爆に比べて威力が10倍以上に達する」などと説明する記事も掲載し、国力と威容が「天に達した」と強調した。北朝鮮が非核化に応じる姿勢を示さない限り対話には応じないオバマ米政権の「戦略的忍耐」政策は「終わりを告げた」とする論評を掲載。「水爆実験は米国がわれわれを見誤り実行してきた政策に対する答えだ」と主張した。
 北朝鮮が行ったのは本当に水爆実験だったのか。それとも起爆剤の原爆は有効に爆発したが、核融合の工程で不備が生じ、水爆実験は失敗したのか。真偽は今後、時間をかけて検証されなくてはならないが、より重要なことは、今後二度と核実験をさせないことだ。

水爆の前段階「ブースト型」の可能性と指摘

2016.1.6 17:58更新 http://www.sankei.com/world/news/160106/wor1601060088-n1.html

米シンクタンク、ヘリテージ財団のブルース・クリンナー上級研究員の話

 北朝鮮の金正恩第1書記は2015年12月、水素爆弾の保有に言及したが、製造したのは(水素爆弾の前段階に当たる)ブースト型核分裂爆弾の可能性が高い。能力が向上した兵器の実験だったと確認されれば、危険な進展だと言える。
 開発を進めている複数の種類のミサイルシステムと合わせ、米国、韓国、日本にとって直接的な脅威だ。北朝鮮は現在、10~16個の核兵器を保有し、2020年までには50~100個に増やすとの見方がある。米本土にも届くミサイルに核兵器を搭載する能力を既に得ている可能性もある。核実験は、深刻で取り返しのつかない国連安全保障理事会決議違反だ。
 北朝鮮は、国際社会に公然と挑戦する形で核兵器開発を追求し続ける姿勢を示した。オバマ政権は現行法を最大限に駆使し、議会とも協力しながら北朝鮮により強力な制裁を加えなければならない。(共同)



北朝鮮による「水爆実験」の背景について青山繁晴氏が語ります。

2016/01/22 に公開
独自且つ的確な視点と情勢分析による鋭い提言や価値ある情報発信において他の追随を許さない青山繁晴が、視聴者からの質問に答える形で、日本の現状と未来を展望していく『青山繁晴が答えて、答えて、答える!』。今回は、北朝鮮が強行した4回目の「核実験」の舞台裏を中心にお話しさせて頂きます。

 北朝鮮のいわゆる「水爆実験」を受け手のアメリカの対応は素早いものがありましたね。かつての尖閣諸島沖合にB-52爆撃機を飛行させたことと本質的には同じでしょうか。
 アメリカの核抑止力と通常戦力のアピール、北朝鮮の核実験に対する「抗議」の意味もあるでしょう。もはや核兵器の保有は決して歓迎されないし、兵器として運用できるものでもなくなっていますね。


北朝鮮核実験にどう出るか 制裁措置の行方

は中国にかかる

岡崎研究所

20160210日(Wedhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/6049
中国専門家で米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)の上級顧問をしているボニー・グレイザーが、16日付のCSISのサイトで、北朝鮮の核実験への中国の対応について、インタビューに応える形でコメントしています。要旨は以下の通りです。

Q.今回の核実験に対する中国外交部の公式声明は、特に厳しいものだったのか。
 そうとは言えない。中国外交部の声明では、北の核実験に「断固反対する」と述べた他、非核化へのコミットメントを守ることを「強く」主張し、「状況が悪化するような措置をとるのをやめるよう」呼びかけた。これは20132月の(3回目の)核実験の際に出された声明の言い回しと実質的に同じものだ。ただし、2013年の声明に含まれていた「各国に冷静な対応を呼びかける」との一文が、今回は含まれていない。
Q.中国は制裁強化を支持するだろうか。
 中国は新たな制裁を含む国連安保理決議に参加する動きを見せている。それに、中朝国境間の車両検査や中国領空を飛行する貨物に対して、より綿密なモニタリングをするなど、従来よりも厳しい措置をとることに自発的になるかもしれない。その一方で、安定性を危険に晒したり、経済的・政治的崩壊を招いたりしかねない行動、国境付近への米軍の配備などには賛同しそうもない。最初の核実験以来、中国は北朝鮮に対する圧力の必要性を認めているものの、制裁だけで非核化が可能だとは考えていない。中国としては、制裁は戦略の一部であり、「グランドバーゲン」には安全の保証や、経済支援、日米からの外交承認なども含まれうると考えている。
Q.核実験に際し、中国の懸念は何か。また、この機会をどう捉えているか。
 中国指導部にとっては、国内の安定性維持が常に重要である。核実験は中朝国境から約100kmの地点で行われた。中国北東部では実験による地震が観測され、大気、水質、土壌汚染などを引き起こしている。中国外交部はモニタリングの結果、異常がないと通知したが、中国指導部にとっては、ネットなどでの共産党批判に繋げないことが最優先事項である。同時に、中国は、北朝鮮による核実験を、対米関係を改善する機会として利用しようとしている。国連による制裁を支持することは、中国は国際法を支持しているとの意思表示である。米中間には、サイバー攻撃による知的財産権の窃取や、南シナ海での摩擦が続いている。そうした中で、核実験への対応を、米国との限られた協力機会として利用しようとしている。
Q.中朝関係への影響はどうか。
 4回目の核実験で中朝関係はさらに悪化するだろう。実験に際し、中国側は何も通告を受けていなかった。習近平は、北朝鮮との関係改善にいかなる政治資本を投じようとも思っていない。実験を受けて、習近平は韓国との関係を発展させるほうが正しいとの確信を強くしているはずだ。北朝鮮の核計画に変化がなければ、習近平はその任期が終わる2022年末まで、金正恩と会おうとしないかもしれない。
出 典:Bonnie S. Glaser China's Reaction to North Korea's Nuclear Test’(CSIS, January 6, 2016
URL
http://csis.org/publication/chinas-reaction-north-koreas-nuclear-test
***
安保理制裁決議の実効性は中国次第
 上記では、中国は国連安保理では制裁措置に参加する動きを示しているが、実際にどこまで制裁措置を遵守するかはよくわからない、と指摘しています。この指摘は、的を射たものと言えるでしょう。
 今回の北朝鮮による核実験に対する中国政府の公式声明は、前回2013年の核実験の際と比較して、その言い回しは実質的に同じものであり、唯一の違いは「各国に冷静な対応を呼びかける」とする部分が含まれていないだけです。
 中国にとっては、中国の思う通りにならない北朝鮮を苦々しく思っているのでしょうが、だからと言って、北朝鮮の体制が崩壊したり、ひいては、中国の体制維持を脅かしたりすることは、何としても回避したいに違いありません。
 北朝鮮と中国とのギクシャクした関係は、近年では、北朝鮮指導部の親中国派と言われた張成沢の処刑などをめぐり強まってきていますが、中国が依然として、北朝鮮にとって石油、食料の主たる供給源であることに変わりはありません。最近も、安保理による対北朝鮮資産凍結の制裁対象とされている北朝鮮の貨物船を、中国企業が購入したとの報道がなされていました。
 国連安保理の制裁決議も、中国が実効性の上がる措置に協力しない限り、しり抜けになってしまうという実体は変わっていません。

 米国は、今回の核実験のあと、中国に対し、中国の対北朝鮮制裁措置が実効性を上げるよう圧力をかけていますが、日本としても、中国に対し、これまでと異なる制裁措置をとるように働きかける必要があるでしょう。

【アメリカ空軍・B-52を朝鮮半島に派遣F-16F-15Kと共に低空

飛行

配信日:2016/01/10 20:55http://flyteam.jp/airline/united-states-air-force/news/article/58104

在韓米空軍のF-16Cと韓国空軍のF-15Kを従えて韓国・烏山基地をローパスするB-52H

 アメリカ空軍はグアムのアンダーセン空軍基地に配備するB-52を、201619日に韓国の烏山空軍基地に派遣し、110日に同基地付近で低空飛行を実施しました。この低空飛行に派遣されたのは、「60-0055」のB-52Hとみられ、韓国空軍のF-15Kスラムイーグル、アメリカ空軍のF-16ファイティング・ファルコンと2機の戦闘機も加わりました。
 アメリカ軍は、通常戦力と核の抑止力を誇示する目的としており、北朝鮮の核実験を受けた対応の1つです。B-52は戦略爆撃機で、核兵器を搭載することも可能ですが、今回の飛行に核兵器を搭載していたかは不明です。
 アメリカ軍は同盟国の防衛へのコミットメントを維持しており、韓国軍との行動でアメリカ、韓国と朝鮮半島の安全、安定を維持することが目的とコメントしています。


米「同盟国防衛、固い決意」急派のB52は核ミサイル搭載タイプ…空母展開も検討か

2016.1.10 17:27更新 http://www.sankei.com/world/news/160110/wor1601100028-n1.html

【ソウル=藤本欣也】オバマ米政権は北朝鮮の核実験への対抗措置として、核ミサイルが搭載可能なB52戦略爆撃機1機を米グアムから韓国に急派、B52は10日、在韓米軍基地のあるソウル近郊の烏山(オサン)上空を飛行し、北朝鮮への圧力を強めた。
 聯合ニュースはB52について「核ミサイルで武装した」と報じるとともに、米軍は来月、米原子力空母を朝鮮半島沖に展開することも検討していると伝えた。
 韓国が核実験への対抗措置として拡声器による政治宣伝放送を再開したが、北朝鮮がこれに反発し、武力挑発を行うことなどを牽制(けんせい)する狙いがある。
 北朝鮮が2013年2月に核実験を行った際、米軍が戦略爆撃機を韓国に展開したのは約1カ月後。今回は実験からわずか4日後で、米国が警戒をより強めている表れといえる。
 ハリス米太平洋軍司令官は「同盟国の韓国や日本、また、米本土を防衛するという米国の固い決意を示すものだ」と声明でコメント。在韓米軍のスカパロティ司令官も「米韓は緊密な軍事協力を通じ、安定と安全を脅かす勢力にいつでも対応できる」と語った。


B52は烏山基地周辺の上空で、韓国軍のF15戦闘機、米軍のF16戦闘機とともに低空飛行。同日、グアムに戻った。
 B52は、地下施設を破壊する特殊貫通弾「バンカーバスター」も搭載可能。北朝鮮の平壌中枢や地下施設に打撃を与えることができるため、北朝鮮はB52の朝鮮半島への展開に神経質になっている。

 一方、ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮の国営メディアは10日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が人民武力部(国防省に相当)を訪問、6日に実施したと主張する「水爆実験」について、「国家の自主権と民族の生存権を徹底的に守護し、朝鮮半島の平和と地域の安全を保障するための自衛的措置だ」と指摘し、「これは主権国家の合法的権利だ」と強調した。訪問の日時は不明だが、核実験後に金第1書記の動静が伝えられるのは初めて。黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長らが祝賀の花束を手渡したという。

一方、アメリカの同盟国はどのような対応をとったのでしょうか?

【日本】近くミサイルも発射か…高まる朝鮮有事の危険性
そのとき自衛隊は何ができるのか?
2016.1.22 01:00更新 http://www.sankei.com/premium/news/160122/prm1601220001-n1.html(政治部石鍋圭)


 北朝鮮の核実験を受け、機体下部に集塵装置をつけたT4練習機が離陸した=1月6日、茨城県の航空自衛隊百里基地 (川口良介撮影)

北朝鮮が4回目の核実験を強行したことにより、朝鮮半島情勢に暗雲が垂れ込めている。米軍は核弾頭を搭載可能なB52戦略爆撃機を韓国で低空飛行させ、北朝鮮を強く牽制。韓国軍も南北軍事境界線付近で対北宣伝放送を再開し、前線の北朝鮮兵士らの動揺を誘う作戦に出た。これに対し、北朝鮮は境界線近くに無人機を飛ばし、韓国軍が警告射撃を行っている。
 日本も大気中の放射性物質を収集するため集塵装置を取りつけた航空自衛隊「T4練習機」を派遣。米韓両国と首脳レベルで連携強化を確認し、緊迫する朝鮮半島情勢の情報収集と分析を進めている。
 北朝鮮は、日本を射程に収める弾道ミサイルを大量に保有し、実戦配備を終えているとされる。北朝鮮が主張する「水爆の保有」は疑問視する向きが多いが、核実験により北朝鮮のミサイルの核弾頭化・小型化が一層進むことはほぼ確実といえる。
 近く北朝鮮によるミサイル発射の可能性も指摘されており、防衛省幹部は「北朝鮮の脅威は一段階引き上げられたと見るべきだ」と警戒を強める。
 北朝鮮の脅威増大は、日本に深刻な脅威をもたらしかねない。北朝鮮と米韓が衝突する朝鮮半島有事が発生すれば、日本の存立にも関わる事態に発展する可能性もある。今年3月に施行される安全保障関連法の適用も現実味を帯びることになる。


 防衛省が最も懸念しているのは「軍事境界線付近で起きる南北の小競り合いから生じるエスカレーション」(幹部)だ。こんなシミュレーションが無理なく成り立つという。
 韓国軍が行う軍事境界線付近での対北宣伝放送に対抗し、北朝鮮が砲撃する。韓国側に多数の死傷者が発生。韓国軍は応戦し、そこに在韓米軍も加わって大規模な紛争に発展する-。
 その時、自衛隊はどうするのか。さらにシミュレーションを続ける。
 大規模紛争に発展したことを受け、まず自衛隊による後方支援が可能な「重要影響事態」を認定し、米軍への給油活動などを開始する。さらに、進退窮まった北朝鮮が弾道ミサイル発射の兆候を見せ始める。米海軍は公海上にイージス艦を展開し、弾道ミサイルへの警戒を開始。弾道ミサイル攻撃の警戒に当たるイージス艦は、航空機や潜水艦などによる攻撃への備えが手薄になるため、米国はイージス艦の防護を日本に要請する-。
 戦時中の米艦防護は国際法上、武力の行使に当たるため、実行するには集団的自衛権を発動する必要がある。政府は国家安全保障会議(NSC)を中心に対応を検討。放置すれば米軍のイージス機能が失われ、日本が弾道ミサイルの標的になる可能性が高いことや、北朝鮮が「米軍を支援する日本を火の海にする」などと宣言していることからも、政府は集団的自衛権行使を可能にする存立危機事態の要件を満たすと判断した-。
 こうしたシミュレーションが、絵空事では済まされないのが、今の朝鮮半島の状況といえる。

【日本】北朝鮮の核実験実施で大気浮遊じんの採取を実施
配信日:2016/01/06 17:25
http://flyteam.jp/airline/japan-air-self-defense-force/news/article/58491
政府は北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国が核実験を実施したことを受け、対応を行っています。この対応策のうち、原子力規制庁、防衛省は上空の大気浮遊じんの採取、測定を通じ、モニタリングを強化しています。
 すでに百里基地所属の航空自衛隊T-4を使用し、日本上空で大気浮遊じん、キセノンの採取を行い、日本分析センターで測定を行うなど、モニタリングを実施しています。日本分析センターでは、地上大気浮遊じん、地上のキセノンの採取・測定も行います。
 政府は北朝鮮に対し厳重な抗議と非難するとの声明を明らかにしています。
※大気中に放射性物質がないかどうかの採取、測定の意味でしょう。

【日本】北朝鮮・核実験か?地震波を観測
配信日:2016/01/06 11:45
http://flyteam.jp/airline/japan-air-self-defense-force/news/article/57625

気象庁は201616()1030分ごろ、北朝鮮で付近を震源とする地震波を観測、自然地震ではない可能性があるとしています。場所は北緯41.6度、東経124.9度です。

 これを受け、政府は北朝鮮による核実験が実施された可能性があるとの見方から、北朝鮮関連情勢に関する情報連絡室を核実験実施情報に関する官邸対策室に改組しました。
 防衛省でも中谷防衛相が関係各所に事実関係の正確な把握に務める様、指示したほか、幹部会議で情報収集、分析を行っています。
 なお、11時現在で、航空機や船舶への影響については影響が及んでいないと見られています。

【韓国】朴槿恵政権、米ミサイル配備に積極姿勢「中国へ前例なき圧力メッセージ」

2016.1.26 16:51更新 http://www.sankei.com/world/news/160126/wor1601260035-n1.html

 韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相が米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の韓国配備について、「軍事的に検討する必要がある」と指摘した発言が波紋を広げている。北朝鮮に対する強力な国連安全保障理事会の制裁決議の採択に向け、ケリー米国務長官が27日に訪中し王毅外相らと会談するのに合わせ、強力な決議に慎重姿勢を崩さない中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとの見方が一般的だ

 韓国防相は25日、韓国メディアに対し、「軍事的レベルで言えば、私たちの能力には限界があるため(THAADの配備について)軍事的に十分に検討する必要がある」と語った。
 韓国紙、中央日報は26日、「THAADは国防相が独断で話をすることができる問題ではない」(大統領府関係者)として、政府レベルで調整した上での発言と伝えた。
 THAADの韓国配備をめぐっては、中国が自国の監視目的だとして強く反発。中国重視外交を展開する韓国政府は「米国から要請はない」「協議していない」「いかなる決定も下していない」という“3無”政策を堅持してきた。

 しかし北朝鮮による4回目の核実験強行を受け、朴槿恵(パク・クネ)大統領が13日、THAAD配備に関し、「わが国の安全保障と国益を踏まえて検討していく」と検討に前向きな姿勢を示した。韓国メディアは国防相発言について「前例のない中国への圧力メッセージ」(中央日報)などと報じている。


米国・韓国のミサイル防衛システム開発を支援へ
BBC News20160209日(Tuehttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/6087
 米国防総省は201628日、高度なミサイル防衛システムを韓国に配備する計画について、できるだけ早期の実施を支援すると方針を示した。7日に長距離ロケットを発射した北朝鮮の脅威拡大に対抗し、韓国の防衛を助けるためという。
米国の最新鋭地上配備型迎撃システム、終末高高度域防衛(THAAD)ミサイルを南北国境付近に配備するため、米韓は近く正式協議を開始する方針という。
AFP通信によると、国防総省のクック報道官は「具体的な日程はともかく、できるだけ早く実施したい」、「韓国との協議を今から、近日中に開始する。速やかに前進すると予想している」と述べた。
THAADミサイルは配備がしやすく、地球大気圏の内外で敵のミサイルを迎撃する。
中国国境近くへの配備について中国の強い反発が予想されるが、クック報道官はあくまでも北朝鮮を対象にしたもので、中国を脅かす意図はまったくないと強調した。
米政府は8日、北朝鮮が人工衛星か何かの飛翔体を周回軌道上に載せたが、これは長距離ミサイル発射技術を実験するための口実だったと批判した。
北朝鮮は、あくまでも平和的な宇宙開発計画の一環だと主張している。
8日に放送された米CBSテレビのインタビューでオバマ米大統領は、ロケット発射には特に驚かなかったし、北朝鮮の行動について米政府はかねてから懸念してきたと述べた。
大統領は北朝鮮を「独裁国家だ」と呼び、「挑発的な国だ。繰り返し国連決議に違反し、核兵器を実験・製造してきた上に、今ではミサイル発射システムを完成させようとしている」と批判した。
米国とその同盟諸国は、北朝鮮のロケット発射について、米国本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイルの開発追及の一環だと批判している。
北朝鮮ロケット発射 これまでの経緯
20162月――人工衛星を搭載しているという説明のロケット発射
20155月――北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を初成功させたと発表。他国は信ぴょう性を疑う。
201212月――人工衛星の打ち上げ名目で3段式のロケット「銀河3号」を発射。米国防総省は軌道上への到達を確認。
20124月――3段式ロケットが発射直後に爆発し、海へ落下。
20094月――3段式ロケット発射。北朝鮮は成功したと主張するが、米国は失敗して海へ落ちたと。
20067月――長距離ミサイル「テポドン2号」の発射実験を実施。米国は、発射から間もなく失敗したとみている。(英語記事 US to help South Korea develop missile defence system

【共産中国の北朝鮮への対応は?】

中国外務省・会見で北朝鮮を“異例の”非難

201616 1837http://news.livedoor.com/article/detail/11034782/


 北朝鮮が2016年1月6日、初めての水素爆弾の実験を実施し、成功したと主張したことを受け、中国外務省の報道官は6日午後に開かれた定例会見で、北朝鮮から実験について事前に通告がなかったことを明らかにした。そして冒頭で、異例のことだが、記者の質問を待たずに北朝鮮を非難する声明を読み上げた。
 中国外務省・報道官「北朝鮮は国際社会の普遍的な反対を顧みず再び核実験を行った。中国はこれに強く反対する」
 中国は北朝鮮に対し、一貫して核開発を放棄するよう求めており、北朝鮮が前回、2013年に3回目の核実験をして以来、両国の関係は冷え込んでいた。しかし、中国は去年10月、朝鮮労働党の記念行事で最高指導部の1人、劉雲山政治局常務委員を訪朝させ、金正恩第1書記と会談を行って関係改善の意思を示していた。中国は北朝鮮との経済的、政治的な影響力を利用することこそが、国際社会の一員として大国になった中国に期待される役割だと認識しているからだ。中国の関係改善の意思もそうした責任感から生まれたとみられるが、今回の実験がそのメンツをつぶした形になり、今後、中国が経済的な締め付けを強めるなど、強硬な態度に出る可能性もある。

※国連の安保理事会常任理事国としての立場から、またアジアでの核弾頭の「ドミノ化」を懸念する立場から中国共産党は北朝鮮の核実験を肯定することはできないでしょう。

第Ⅱ章【北朝鮮弾道ミサイルの脅威】

核弾頭の小型化に成功しているともいわれますが、核兵器とセットで対応しなければならない課題ですね。早期の発射の探知と効果的な迎撃が弾道ミサイル防衛の重要なカギになります。


日・韓・米システム連結で北朝鮮ミサイル情報共有へ
2016.1.22 14:18更新 http://www.sankei.com/world/news/160122/wor1601220017-n1.html

 韓国国防省関係者は平成28122日、米軍が艦艇や軍用機との間で情報を共有するために運用している情報伝達システム「リンク16」と、韓国軍のシステムを年内に連結させると明らかにした。
リンク16には日本の自衛隊のイージス艦なども参加しており、米軍のシステムを介し、日韓が北朝鮮の弾道ミサイル発射に関するデータなどの情報を瞬時に共有する態勢が整うことになる。
 軍事筋は、日韓がリンク16で結ばれた場合、北朝鮮の弾道ミサイルについて、発射地点に近い韓国軍が得た観測データを基に日本が軌道を追跡し、着弾地点をより正確に予測することが可能になると指摘した。
 韓国軍のごく少数の艦艇や航空機がリンク16と結ばれているとの情報がこれまでにあったが実態は不明。

【日本】北朝鮮がミサイル準備か?東倉里、近く発射可能性

2016.1.28 00:55更新 http://www.sankei.com/world/news/160128/wor1601280004-n1.html

 日本政府筋は平成28127日、北朝鮮が北西部・東倉里のミサイル発射場で長距離弾道ミサイルを発射する準備を進めている兆候を把握したと明らかにした。早ければ1週間前後で発射に踏み切る可能性もあるとしている。
 6日に強行した4回目の核実験に続くミサイル発射の準備には、国連安全保障理事会での制裁強化論議をけん制する狙いもあるとみられる。
 実際に発射に踏み切れば、これまでの安保理決議に違反することにもなり、締め付けの厳しい制裁決議の採択につながるのは必至だ。
 同筋によると、ここ数日の衛星写真による画像分析などから、発射準備を進めていることを確認したという。


2016.1.29 08:31更新 http://www.sankei.com/world/news/160129/wor1601290012-n1.html

米政府当局者は平成28128日、北朝鮮が北西部・東倉里で長距離弾道ミサイル発射の準備を進めている兆候があることを確認、「人工衛星」打ち上げと称して数週間以内に発射する可能性があると明言した。
 同当局者は、北朝鮮が突然ミサイルを発射するよりも、事前に「衛星」打ち上げを予告する公算が大きいとの見方を示した。
 米国防関係者も、ミサイル本体への燃料注入など差し迫った段階ではないと語った。

 外交筋によると、燃料搬入用とみられる車両の行き来や作業要員の数が増えるなどの動きが確認されている。(共同)

<北朝鮮ミサイル>自衛隊に破壊措置命令…イージス艦で迎撃
毎日新聞2016129()139分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160129-00000030-mai-pol

 北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射する兆候があるとして、政府は平成28年1月28日夜、自衛隊に対し、ミサイルを迎撃するための破壊措置命令を出した。政府関係者が明らかにした。命令を受け、自衛隊は警戒態勢を整えている。政府は破壊措置命令の公表はしない方針。【町田徳丈】

 自衛隊は弾道ミサイルに対し、洋上の海上自衛隊のイージス艦から発射される迎撃ミサイルと、航空自衛隊の地上配備型のパトリオット(PAC3)で迎撃態勢を取る。今回は29日午前時点でPAC3の展開指示は出ていないとみられる。

 中谷元(げん)防衛相は29日の閣議後会見で「北朝鮮が事前の予告なく、弾道ミサイル発射を含む何らかの挑発行動に出る可能性は否定できない状況にあると分析している。情報の収集分析に努め、米軍や関係機関と緊密に連携を取って万全の体制で臨みたい」と述べた。

 また、破壊措置命令を公表しないことについては「手の内を明らかにすることによって、支障がでてくる場合がある。我が国の手の内を明らかにすることなく、いかなる事態にも対応できるよう対応を取っている。一つ一つ明らかにするのは事柄の性質上控えている」と説明した。

※安倍内閣の北朝鮮弾道ミサイルへの対応、指示は早いですね。
ただこの安倍内閣の「破壊措置命令」には問題も指摘されています。

破壊措置命令は安倍政権では非公表「敵に塩を送るようなもの」

2016.1.29 22:02更新 http://www.sankei.com/politics/news/160129/plt1601290054-n1.html

北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射の兆候を受け、中谷元防衛相は平成28年1月28日までに破壊措置命令を発令したが、政府は命令の有無を公表していない。第2次安倍晋三政権発足以降、非公表の姿勢を貫くのは、命令の公表が自衛隊の運用の手の内を明かし、北朝鮮を利することになりかねないからだ。「必要な対応はとっているが、具体的には事柄の性質上、コメントは控える」

 中谷氏は29日の記者会見でこう述べ、破壊措置命令の発令に関して明言を避けた。
 政府のこうした対応はこれが初めてではない。平成25年4月、当時の小野寺五典防衛相が北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、破壊措置命令を発令。政府は今回と同様の理由から、公表を避けた。翌26年4月にも、破壊措置命令が発令されていたとされる。
 政府は過去3回の破壊措置命令を公式に認めているが、いずれも第2次安倍政権の発足以前。この3回の発令は北朝鮮が発射期間や飛行コースを事前に予告していたこともあり、着弾ポイントや被害状況を予想することができた。しかし、近年の北朝鮮は事前予告なくミサイルの発射に踏み切る傾向が強く、自衛隊はより実戦に近いかたちでの対応を余儀なくされている。



そうした状況下で海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載する海上自衛隊のイージス艦や、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の展開を公表することは「敵に塩を送ること」(防衛省幹部)となる。命令の期間も合わせて公表すれば、逆に警戒態勢が手薄な時期を明かすことにもなる。北朝鮮は、自由にタイミングや地点を変えて弾道ミサイルを発射できる奇襲的能力の増強を誇示しており、より現実的な自衛隊の運用が必要となる。(石鍋圭)

※実戦に近い形での迎撃態勢をとって何が悪いのでしょう?そもそも弾道ミサイルを発射させるようなこちらの国防体制に問題があるように思います。北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、我が国の側も北朝鮮の軍事基地や都市にミサイルを打ち込む体制もあわせてとるべきでしょう。トマホーク巡航ミサイルの配備やピンポイントで攻撃目標を破壊できる通常弾頭型の弾道ミサイルを配備することで北朝鮮の動きを封じ込められるところは小さくないはずです。
 この体制づくりは、邦人拉致の問題解決にも十分可能性を開くことと考えます。日本人の拉致被害者がいつまでも北朝鮮国内にいることが、北朝鮮にとって不利なことになる形にもっていくことが重要なんですが、実際はそうはなっていません。

【アメリカ】北朝鮮、数週間内に長距離弾道ミサイル発射か?米当局者が兆候確認

2016.1.29 08:31更新 http://www.sankei.com/world/news/160129/wor1601290012-n1.html

米政府当局者は平成28128日、北朝鮮が北西部・東倉里で長距離弾道ミサイル発射の準備を進めている兆候があることを確認、「人工衛星」打ち上げと称して数週間以内に発射する可能性があると明言した。
 同当局者は、北朝鮮が突然ミサイルを発射するよりも、事前に「衛星」打ち上げを予告する公算が大きいとの見方を示した。
 米国防関係者も、ミサイル本体への燃料注入など差し迫った段階ではないと語った。
 外交筋によると、燃料搬入用とみられる車両の行き来や作業要員の数が増えるなどの動きが確認されている。

※北朝鮮の核保有は、世界的な趨勢からみても既に核兵器を保有することが、軍事大国、経済大国のステイタスでないという観点からも、完全に時代的に、国際的に核兵器縮小の流れからもナンセンスであり、無意味な行為といえます。
 核兵器と弾道ミサイルの保有により、周辺国にどれくらいの「脅威」を与えているかいつになったらわかるのでしょうか?
 北朝鮮は現在の体制ごと変えてしまわなければ、根本的な変革にはつながらないことは容易に理解できることですが、どうすれば北朝鮮の政治体制を変革させることができるのでしょうか?