2016年2月29日月曜日

アジアでのアメリカの核戦略の要☆ステルス戦略爆撃機

B-2Aとそっくり!! アメリカの次期ステルス爆撃機「B-21


配信日:2016/02/29 12:25
http://flyteam.jp/airline/united-states-air-force/news/article/60442
B-2Aとそっくりな21世紀初の爆撃機「B-21」の想像図


アメリカのデボラ・リー・ジェイムズ空軍長官は、2016226()、フロリダ州オーランドで開催された空軍協会航空戦シンポジウムで、長距離打撃爆撃機(LRS-B)の想像図を初めて公表し「B-21」と名付けたことを明らかにしました。

LRS-B
は老朽化したボーイングB-52Hストラトフォートレスや、ロックウェルB-1Bランサー、ノースロップB-2Aスピリットと交代する戦略爆撃機で、厳重に防御された世界のあらゆる場所に爆撃が可能な性能が求められています。開発メーカーにはボーイングとロッキード・マーティンのチームを退けたノースロップ・グラマンが選定されています。B-21の「21」は21世紀最初の爆撃機であることを表しています。

ジェイムズ長官はB-21が現有のB-2と似ていることにも言及し「B-21は既存の出来上がった技術を使用することが条件とされ設計が始められた」と話しています。

B-21
は技術・生産開発(EMD)フェーズに入ったばかりで、2020年代半ばに初期作戦能力(IOC)の獲得を目指しています。アメリカ空軍では、空軍の将兵からB-21のニックネームを募集するとのことです。

【関連リンク】


《維新嵐》 いよいよアメリカが世界に誇る!?新型ステルス爆撃機がお披露目となりました。といってもイメージ画ですけどね。ぜひともかっこいい、センスのいいニックネームをつけてあげてほしいです。

ちなみにB-21とそっくりなアメリカ空軍の現有戦力B-2Aステルス戦略爆撃機もご紹介させていただきます。ステルス性能を追求していくとこのようなUFOのようなフォルムになるんでしょうね。



アメリカ空軍ステルス戦略爆撃機 B-2スピリット(Spirit)
2013/04/16 に公開
アメリカ空軍のステルス戦略爆撃機。開発はノースロップ・グラマン社が担当した。水平尾翼および垂直尾翼がない全翼機と言う特徴的な形をしており、愛称はスピリット。同重量の金と同価値といわれるほど非常に高価で、少数しか生産されていない。F-117と同じくステルス性を最重要視した形となっているが、F-117が直線的な多角形によって構成された機体デザインだったのに対してB-2は曲線的なシルエットとなっている。



B-2スピリット ステルス爆撃機・アメリカ空軍 - B-2 Spirit Stealth Bomber
2014/07/08 に公開


戦闘するデザイン B-2Aステルス戦略爆撃機


グアムのアンダーセン空軍基地に配備されるB-2ステルス戦略爆撃機は、アメリカ空軍の核戦略の要です。ここから北朝鮮や中国大陸方面ににらみをきかせてくれているといえるでしょう。

アメリカの西の国防線を守るための要ですね。


【B-2ステルス爆撃機実戦配備】


アメリカ空軍B-2、オーストラリア・ティンダル基地で即応

性を訓練

 

配信日:2016/04/04 12:05
http://flyteam.jp/airline/united-states-air-force/news/article/61861

アメリカ空軍のB-2スピリット爆撃機が201638()から329()まで、オーストラリア空軍のティンダル基地に展開しました。B-2スピリットはインド・アジア太平洋地域に3機を展開しています。

B-2
の配備は、この地域での即応性と習熟度の向上をはかるほか、オーストラリア軍をはじめとする同盟国との能力の向上や、地域での安全保障を支援します。このうち、322()にはティンダル基地のクルーに代わり、アメリカ・ミズーリ州のホワイトマン空軍基地のクルーがB-2の離陸前の訓練を行い、その即応性を高める訓練が実施されました。





2016年2月25日木曜日

激しさを増すサイバー攻撃の脅威  伊東寛氏による見解

不可視だが確実にある脅威~サイバー攻撃をめぐる近年の動向
時事ドットコム (株)ラック理事 サイバーセキュリティ研究所所長 伊東寛

すでに日本はサイバー戦争に参戦。このままいけば敗北必至
ビジネス+IT SBクリエイティブ(株) 伊東寛

伊東寛元陸自システム防護隊長と意見交換

2012.02.10 () https://jinf.jp/news/archives/7132
 ラックホールディングス社の伊東寛・サイバーセキュリティ研究所所長は2月10日、国会基本問題研究所で「サイバー防衛」について語り、同研究所の企画委員と意見交換した。伊東所長は、2007年に自衛隊を一等陸佐で退職するまで、部隊指揮官や幕僚等を歴任、陸上自衛隊初のサイバー戦部隊であるシステム防護隊の初代隊長を務めた。伊東所長の主な発言要旨は次の通り。

すでに始まっているサイバー戦
 戦争を行う力を大きく捉えると三種類ある。直接的な軍事力とそれを支える経済力、情報力である。しかし、戦争の歴史をこの3つの力から改めて見てみると、第二次大戦までは主に軍事力がそのまま主たる力として振るわれた戦いだったが、冷戦時代は経済力を使った「見えない戦争」の時代であったと言えるのではないだろうか。だとすると、21世紀は情報力の戦いの時代である。ここでは、政治、経済、外交、軍事等の、あらゆる分野で、サイバー技術つまりコンピューターとネットワークに関連する技術を使った「見えない戦争」が戦われるのだ。つまり、すでにサイバー戦争は始まっている。

見えない敵
 サイバー戦、或いは「見えない戦争」の特徴は、第一に敵がよくわからないということである。通常の戦争ではミサイルが発射されれば発射地点が分かるが、サイバー戦では技術的に成りすましが簡単にできるため真の敵が分かりにくい。
 第二の特徴は、民間人が自分の意思で勝手に戦争に参加できることだ。ロシアとグルジアが戦争状態に入った際(2008年)、軍隊同士が闘っている裏で、双方の国の一般のハッカーが互いを攻撃しあっていた。このことは、戦略理論がこれから変わる可能性を示唆している。核戦略時代の理論では核の保有が通常戦争の抑止力にもなり得たが、サイバー戦略時代では逆になるだろう。つまり、対峙する軍隊同士には戦闘開始に関して抑制がかかっていたとしても、後にいる民間人ハッカーには同じような形では抑止力が働かない。攻撃しても自分が犯人とわかる可能性が低く、その身が安全だからだ。
 現在では、サイバー技術の進歩に伴い前線後方からサイバー攻撃をしかけ相手側に物理的な被害を与えられる時代になって来ている。そうなると21世紀は危ない方向に向かう可能性がある。軍隊に抑制が利いていても民間人が勝手に戦争に参加し敵に被害を与える事で、熱い戦争の引き金を引く可能性があるのだ。
 核兵器の開発には多額の費用がかかるが、サイバー兵器は逆で、貧乏でも図抜けた天才ハッカーが一人いれば10人、20人の普通のオペレーターを容易に出し抜いてしまえ、そのコストは限りなく低い。それこそ北朝鮮のような国が非常に有利になる。21世紀は、戦略理論や国際間のパワーバランスが変わる時代になるかもしれない。
 
 ゴーストネット
 2009年にチベット亡命政府のダライラマ法王事務所で情報漏れが発覚した。調査の結果分かったのはパソコンが特別なマルウエアに感染していたということである。このマルウェアは持ち主の分からないうちにコンピューターのマイクロフォンをスイッチオンにして勝手にインターネットに接続し、事務所内の音声を誰かに送っていた。このマルウェアはアジアなど103カ国の主に政府、外交機関のパソコンに感染していた。103カ国の言語が分かるのは個人ハッカーでは無理である。明らかに国家レベルでの行為であり、中国の組織的サイバースパイ事件と言われている。
 この件に関連して、今、さらに危ないのは携帯のスマートフォンだ。スマートフォンはコンピューターと同じなので、感染したスマートフォンは持ち主が気づかぬうちに電話機能が働き、会議の内容などが筒抜けになってしまうということが考えられる。安心のためには電源を切っておくか会議室に持ち込まないようにしなければならない。

中国の網軍、40万人か
 中国は90年代にすでにハッカー戦争について対応を初めており、人民解放軍のサイバー戦部隊、民兵、民間人のハッカーや政治的なサイバー上の色々な政府機関等、今では合わせて40万人ほどの規模になっているという観測もある。
 そのほかの国の状況だが、ロシアも同様にサイバー戦の準備を進めているし、北朝鮮は攻撃を受けても失うものがないので、サイバー戦争で最も有利な国である。
 英国にはサイバー担当大臣がいるし、イスラエルは世界で最も高いレベルの体制を作っている。アメリカはインターネットを開始した国だけに、サイバー戦争には最も力をいれている。大統領府には大統領直轄の調整官がいる。

日本のサイバー体制
 日本もサイバーに対して取り組み始めたのはそれほど最近というわけでも無かったのだが、あまり有効な対策/成果等が無いまま、昨年の三菱重工業事件が大きく報道されることとなった。これを受けて各省庁は情報共有の仕組みを立ち上げた。しかし、総務省、経産省、警察、内閣府、防衛省とそれぞれが立ち上げ、ばらばらである。ここに有機的な対処組織があるかというとかなり疑問と言わざるを得ない。さらには、法律上の問題、つまり国内法などほとんど整備されていない状況にある。これは国際法もまだ整備されていないから仕方がない部分もあるものの、出遅れている感は否めない。
  特に自衛隊法についてだが、検討すべきことは多い。そもそも普通の国の軍隊を律する法では軍は基本的に何をやってもいいけれど、これこれはやってはいけないという法体系になっている。日本の警察、自衛隊は逆で、法に明記されているやってもいいこと以外はやってはいけない。
 例えば、日本が外国からサイバー攻撃を受けた場合、自衛隊のサイバー部隊がこれに対応するには、まず命令が必要である。それは防衛出動になる。出動するには武力事態として認定されなければいけない。しかし、残念ながら現在の国の認識では、サイバー攻撃は武力事態ではない。従って、今の陸上自衛隊のサイバー戦部隊の役目は陸自のシステムを守ることにしかない。そのため、予算、装備、人員等は最小限のものだ。急に要請がきても、今の部隊規模では日本を守るのはとうてい無理である。
 なお、外国での議論であるが、例え手段がサイバーであっても物理的被害が発生するのであれば、それは武力攻撃としてみなして良いのではないか、という方向に傾きつつある。国内でこういう問題を議論している学者が一体何人いるだろうか。
 そして、このような議論を進めると、専守防衛という戦後日本の国防の基本精神の問題に関わってくる。ただ、サイバー戦では専守防衛だけでは勝てないどころか負けてしまう。何故なら、攻撃側が圧倒的に有利で、防衛側は一回やられてしまうと、回復できないところまでシステムが落ちてしまうからだ。一方、攻撃側はなんら損害を受けず(ここが物理的な普通の攻撃と違うところだ)新たな攻撃を続行できる。
 今、戦後の国防思想、ある意味歪んだ思想を覆す時が来ているのだと思う。
                  (文責・公益財団法人国家基本問題研究所)

エグゼクティブインタビュー:株式会社ラック 理事 兼 ナショナルセキュリティ研究所 所長 伊東寛 『サイバー攻撃と企業の知的財産の防衛』

2回:サイバー攻撃と企業の知的財産の防衛
伊東寛(いとう ひろし)
株式会社ラック 理事 兼 ナショナルセキュリティ研究所 所長
略歴:
株式会社ラック 理事 兼 ナショナルセキュリティ研究所 所長。工学博士。1980年、慶応義塾大学大学院(修士課程)修了。同年、陸上自衛隊入隊。以後、技術、情報およびシステム関係の部隊指揮官・幕僚等を歴任。陸自初のサイバー戦部隊であるシステム防護隊の初代隊長を務めた。2007年に退職後、株式会社シマンテック総合研究所主席アナリスト、サイバーセキュリティ研究所所長などを経て、20141月より現職。
慶応大学非常勤講師、日本情報セキュリティマネジメント学会理事、情報セキュリティEXPO専門委員、政府関係研究会 委員など
著書・監修書:
詳伝社『「第5の戦場」サイバー戦争の脅威』(新書)

すぐそこにあるサイバー戦の脅威
眞柄:安倍総理大臣は1023日の参院予算委員会で「サイバー攻撃への対応は日本の安全保障に関わる重要な課題であり、体制強化を積極的に進めていく」と表明しました。すでに、日米防衛協力のガイドラインの見直しでも、サイバー攻撃に対する両国間での協力と強化が打ち出されています。ただ、私たちがサイバー攻撃と聞くと自衛隊の指揮系統システムの安全保障といったことを想像してしまいがちです。しかし、もっと私たちにとって身近なインフラのシステム、例えば、発電所のシステムも飛行機の航空管制システムもネットワークにつながっていますし、こうした社会インフラもサイバー攻撃の標的になりえると考えられます。安倍総理大臣が表明したのはこうした国民の生命の安全に関する広範な課題も含んでいるのではないかと思います。
さらに、アメリカ国防総省の副長官だったウィリアム・J・リン三世氏が2010年にフォーリン・アフェアーズ誌に寄稿した「Defending a New Domain - The Pentagon's Cyberstrategy(ペンタゴンの新サーバー戦略〜なぜアメリカはサイバー軍を立ち上げたか)」※1という論文を読みますと、決して軍のシステムの課題を述べているだけではなく、「米議会図書館に収められている情報の何倍にも達する知的財産の損失が続いている」と述べていて、官民の知的財産の長期的な漏えいがグローバル市場におけるアメリカの弱体化につながるということを指摘しています。
こうした状況について、伊東さんのご専門の立場からどのようにお考えになっていますか。
伊東:どこの国でも、守らなければならない一番大事なことは国民の生命や財産、そしてその繁栄です。そのために国というものが存在しているともいえます。近年、アメリカが危惧しているのはサイバー技術を使った攻撃です。その理由はいま引用された論文にも書かれているとおり、インターネットが発達して、今日の社会システムがその上に乗ったのですが、実はそこで使っている技術自体があまり安全ではないという事実なのです。そもそも、インターネットはオープンであるべきという思想から始まり、技術を作った人たちも「いい人」たちでしたので、悪意のある人が使うことを想定せずに、設計されたり、実装されたりしています。しかし、現実にそこには悪意のある人たちが現れてきているのです。そして、米国はここまで発達してきたインターネットの上にある社会システムが悪意のある人たちに攻撃されたら大変なことになるということに気がつき、あのようなレポートが出るようになったわけです。
眞柄:サイバー攻撃やサイバー戦の特徴とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
伊東:サイバー攻撃という言葉には、いろいろな意味が含まれており、必ずしも相手方に打撃を与えるものだけではありません。ここでは狭義の意味でのサイバー攻撃についてお話します。日本は太平洋戦争時にB29爆撃機によって、基幹産業が破壊されるという攻撃を受けました。サイバー攻撃の一つにはそれと似ていて、国の根幹をなすシステム、例えば、電力システムや航空システムなどを攻撃して、破壊することによって、国益である産業全体に大きな影響を与えようとするものがあります。そして、それが現実に起こりうる状況になってきています。
こうした状況をふまえ、アメリカでは社会インフラを守るために、それらを18の分野に分け、それぞれの官庁が管轄するようになっています。なかでも、国防総省は防衛基幹産業を守るという役割を担っています。ご存じのとおり、兵器というものは国が作っているわけではなく、民間企業で製造し、それを軍が調達しているわけです。もし、民間企業にある設計図がどこかの国に盗まれて同じ兵器を造られたり、その設計図を分析することで、その弱点を知られたら、有事の際には大変な問題になります。
眞柄:サイバー戦というと国と国との争いをイメージしますが、ハードウエア、ソフトウエア、ノウハウ、知財、さらには人材育成なども含めて民間企業から情報が流出することは大きな問題になるというわけですね。
伊東:サイバー戦は未来の話ではなく、いますでに起こっているとも考えられます。そもそも、戦争が始まってから相手のことを調べるような軍隊はありません。平時だからこそ相手のことを調べるのは国際的には当たり前のことです。もし、どこかの国にサイバー戦部隊があって、将来、日本とサイバー戦をしようと考えたのなら、すでに日本のサイバー上の弱点を調べあげているはずです。例えば、原因不明のシステムダウンがそれだったりする可能性もありますし、日常的に情報を盗むこともあるでしょう。このように、一般の企業も狙われているわけですから、一般産業の利益が損なわれているということになります。つまり一種の戦争のような状態になっているともいえると思います。
眞柄:民間人からしますと、軍需産業というのは高い壁の向こうにある自分たちとは別の世界のものと思っていましたが、その別世界も同じネットワークでつながっていて、私たちもそれに依存していることは間違いありません。ですから、バックドアをしかけられたり、キルスイッチが入っていたりすることは、軍需産業という壁の向こう側の世界にこちら側の人でも接点があるため、アクセスされる可能性があるという、そういう危機にさらされているのですね。
伊東:日本の防衛産業ですが、その企業が自衛隊の仕事だけをしているわけではありません。むしろその業務量は、会社全体の仕事の1割でしかないかもしれません。しかし、サイバー攻撃をしかけようとしている相手から見れば、ネットワーク上で防衛産業の企業を標的とすることは自衛隊を間接的に標的とするのと何も変わらないので、もしそのような企業が大きな損害を受けていたとすれば、いやおうなく、私たちの生活と密接な関係を持ってきます。
眞柄:日本には素材、医療、科学や、製造業など国際競争力が高い企業がたくさんあります。こうした企業もネットワークインフラに依存しないと競争力は維持できなくなりますし、それが危機、例えば、図面や設計図など知的財産が流出してしまう可能性もはらんでいます。
伊東:他国で開発された製品とそっくりなものを平気で作ってしまう国があるといわれています。アメリカの企業が作ったものとまったく同じものがあったりするのです。しかし、被害を受けているのはアメリカだけではなく、同様に日本で開発された製品もそっくりに作られてしまっている可能性も高いわけです。しかも、われわれが作るよりも、はるかに安価に作っているわけです。本来であれば、製造者が特許料を払うべきものまで、勝手に作られています。このように、すでに経済的にも大きな損失が発生している可能性があるのです。
眞柄:日本では著作物のような、どちらかというと作品性の高い知的財産についてはマネをされると名誉なことだと考える風潮が一部ではあるように思います。一方で、アメリカでは過去のレーガン政権時代にプロパテント政策(知的財産権の保護、強化政策)を明確にし、もの作りから脱却し、知的財産の輸出でグローバル市場を取るという政策を打ち出し、日本でも知財立国ということで、それに追従するような動きも出ました。日本では多様な観点をお持ちの方々がおられて、守らなければならない範囲も多岐にわたり幅広いのではないかと思います。このような状況において、知的財産が流出してしまうということで国益が著しく損なわれますし、その危うさもひしひしと感じます。
サイバー戦に備える国家や組織のあり方とは
眞柄:アメリカの情報セキュリティ予算が80億ドル、2万人を雇用しているという数字があります。それに対して、日本のセキュリティ予算は300億円、内閣官房情報セキュリティセンター(National Information Security CenterNISC)は各省庁からの出向者による組織で、国が果たすべき役割やストラテジーが明確ではないように思うことがあります。また、日本は人材育成、法制度、暗号技術、企業が果たす役割や義務に対する感覚が鈍いのではないかと感じています。技術立国「日本」としては、どうしたらいいとお考えですか?
伊東:日本は全体として危機感が少なく、サイバー攻撃に対する対策が遅れています。アメリカの場合、サイバーインフラを守るために各省庁にそれぞれのミッションがあります。すなわち、国が民間企業も含めて国民を守る仕組みがしっかりあります。日本の官庁にもそうしたミッションはあるにはありますが、たくさんの要素が抜け落ちています。言い換えますと、日本では国が民間企業を守っていないということです。2011年に日本の防衛産業に対する攻撃事件が発生しましたが、攻撃の対象となっていたのはほとんどが民間企業です。攻撃してくる相手は国のレベルなのに、対するのは国ではなく民間企業でした。外国の政府レベルの攻撃に対して、民間企業は自分で自分の身を守れというのはアンフェアだと思います。日本国政府として、国の盾を立てるべきではないでしょうか。国の盾とは具体的には法律、技術支援、産業保護育成など、いろいろあると思います。そう考えたとき、日本の現状は決して十分ではありません。
アメリカでは、軍のサイバーコマンドなどが2万人いるといわれています。また、アメリカには国土安全保障省という官庁が、アメリカのサイバー防衛を一元的に管理していますが、日本でそういう組織といえば、NISCなのでしょうが、ここの人員は各省庁から出向してきていますので、およそ2年すると元の組織に帰ってしまいます。そうした短い任期の人たちでは長期的レンジで戦略を考えられないのではないかと思います。すなわち日本はサイバー攻撃に対する危機感も乏しく、国としての一貫したポリシーもなく、責任を持った省庁もなく、残念ですがまだまだ日本のサイバー防衛はとても貧弱だといわざるを得ません。
眞柄:そう考えますと、安倍総理大臣がおっしゃった言葉は重いということですね。
伊東:防衛省も、以前は外国からサイバー攻撃をされても自衛隊は出動できないだろうという考え方をしていました。当然のことながら、自衛隊が出動するためには防衛出動が下されなければならないのですが、そのためには武力攻撃事態とみなされるなどの、なんらかの要件を満たしている必要があるわけです。しかし、従来の考え方ではサイバー攻撃は武力ではないという議論になり、自衛隊の出動は見送られるものとされてしまいました。
眞柄:こうしたことに対処するために、国がやるべきことと、民間がやるべきことがそれぞれあると思います。民間企業では、最近BYODBring Your Own Device:個人が所有するパソコンなどの機器を社内に持ち込んで使うこと)などの利用形態も徐々に広まっていて、いろいろなデバイスを有効利用しようという取り組みが始まっています。大企業であればそれを管理するために、それなりに経営資源を割いて対応にあたれますが、全体の9割以上を占める中小企業ではそういうわけにはいかないのが現実でしょう。特に、日本の基幹産業ともいえる中小の製造業ではCISOChief Information Security Officer:情報管理担当役員)のような役職もなく、社長がすべてを取り仕切らなければならない状況も多いと思います。そうした方たちのお話を伺いますと、必要性は認識されているものの、セキュリティに余計なコストをかけられないという声をよく聞きます。
伊東:経済的にコストをかけられないという民間企業の声はやむを得ないと思います。しかし、それではすまない状況になっているのです。実際に損害を受けていても、それをわかっていないとか、わかっていても見ぬふりをしていては、犯罪者が一方的に優位に立ってしまうことになります。私自身はリベラルな方ですので、インターネットは自由だと思っていた時代もありますが、そんなことをいっている場合ではありません。もう国が積極的な政策をとるべき時期にきていると思います。
眞柄:日本は垂直型の産業構造になっていて、それに合わせてシステムも垂直に統合されている場合が多いと思います。サイバー攻撃をしかける方としては、比較的堅ろうな上位を攻撃しないで、下位のセキュリティの甘いところから攻撃してくる危険がありますね。
伊東:もちろんそうです。最も強そうなところから攻撃するという戦略はありません。まずは偵察をして、相手の弱点を調べて、そこから攻撃していくのが当たり前です。泥棒でもそうですよね。正面玄関をおので割って入る犯人はなく、裏口の人目につかない、壊しやすいガラス窓から入るわけです。
眞柄:サイバー戦に備えるためには、日本は産業構造的にも解決すべき課題があるかもしれません。あらためて、日本が危機に直面しているということがよくわかりました。ネットワークインフラの上で生活を営み、ビジネスをし、国や自治体が行政サービスを提供している今の時代、システムだけでなく、われわれのライフスタイルのなかにも隠れたぜい弱性があります。安倍総理大臣から、情報セキュリティ分野で堅ろうなものを作らなければならないという方針が初めて出されましたし、今後はセキュリティの専門家の役割はさらに重要になっていくと思います。
当社サイバートラストではコンテキスト(多要素)ベースのセキュリティソリューションについて業界内の各社と勉強を始めたところです。お話にもあったように、インターネットはオープンな技術で、それがここまで普及する原動力ではあったのですが、その上に経済活動が乗ったことで、さまざまな犯罪も起こっていることも事実です。そこで、「いつ・どこで・誰が」というコンテキストを認証あるいは証明してみてはどうかと考えています。例えば、特定の場所に行かないとファイルを開けないというようなこと、いつ、どこで、どのパソコンで、誰がファイルを開いたかということが履歴を残せるのではないかと考えています。
伊東:私も10年ほど前に自衛隊に所属したときに類似の論文を発表したことがあります。位置情報センサーで、その場にいない人が認証をかけたらアウトにするとか、さっきまで東京で認証していた人が、5分後に名古屋から認証するというのはどう考えてもおかしいのでアウトにするとかということです。こういう商用サービスが登場するのは必然だと思います。
眞柄:今後は測位衛星もいくつか上げる計画があり、その精度も向上するでしょうし、位置を特定してファイルを開けるようにするクラウドサービスも出てくると思います。時間・場所・デバイス・個人の情報を組み合わせることでさらに安全性が増すと思います。

【伊東寛】北朝鮮とアメリカのサイバーをめぐる戦い[H27/2/24]
2015/02/26 に公開
陸上自衛隊システム防護隊の初代隊長をつとめられ、現在はネットセキュリティー分野のスペシャリストとして活躍なさっている伊東寛氏をお迎えし、米映画会社ソニー・ピクチ­ャーズエンタテインメントに対するサイバー攻撃を行った犯人として米国が北朝鮮を名指しした事件を振り返りながら、考えられる犯人像からも浮かび上がるサイバー戦をめぐる米国の強かさや、北朝鮮のインターネットをダウンさせた DoS攻撃の正体、そして、我が国の深刻なまでに脆弱なサイバー態勢などについて、お話を伺います。


【米中戦争の様相・序章】緊迫すれども紛争はおこらず・・・事実上の「冷戦状態」の南シナ海

 米中戦争は、サイバー空間における攻防が中心であって、通常軍事力、ましてや核弾頭による紛争すら発生することはありません。
 ある意味、アメリカの第7艦隊を中心とするミリタリーパワーに対抗できるだけの力が人民解放軍にないこともあると思いますが、米中の経済的相互の依存関係や昨今の「バブル崩壊」状態ともみられる共産中国の国内経済状況も実戦争を抑止している要因なのではないかと思えてきます。

 むしろリアルな軍事力では決着をつけられることができないから、相手方の優れた社会インフラ、人的インフラを、無傷で手に入れ、自国の政治的優位性の担保や軍事力の強化をはかるべくサイバー攻撃を軍事兵器化していくスキルをドクトリンとして研究、開発していったり、忘れてならないのは、宇宙空間への技術的な意味での研究、開発を進めているといえるのはないでしょうか?
 共産中国は、月面の裏側に有人探査機を送ろうとしていますね。成功すればアメリカのアポロ11号以来の快挙ですが、月の裏側へはアメリカは探査機をこ公式には送り込んでいないことになっていますので、人類初の快挙になります。
 月にエイリアンの前進基地があるかどうかは都市伝説の域をでませんが、仮に共産中国が未知の異文明のテクノロジーを手に入れたら、と考えるだけでも十分「脅威」です。
 
 第二次大戦までのような「戦略爆撃論」をベースにした大量破壊、大量虐殺を伴う戦争は現代ではまずおこりませんが、自国に有益な社会インフラ、人的インフラをもつ国は、その優れた技術やシステムを盗んででも活用していこう、できれば無傷でコントロールして別な大国に対する優位性を担保しようという時代だ、ということを意識しながら以下の記事・論文をみていきましょう。
 今後ともみなさんと一草莽の国民として世の中の動きを軍事的な観点を中心として学んでいければ、と思います。認識不十分な点があれば、ぜひともご指摘いただければ幸いです。


【緊迫・南シナ海】~アメリカの西沙諸島へのFON作戦への対抗措置~

中国軍、西沙諸島に地対空ミサイル8基を配備、米「航行の自由作戦」を牽制か
2016.2.17 10:12更新 http://www.sankei.com/world/news/160217/wor1602170013-n1.html

【ワシントン=青木伸行】米FOXニュースなどは16日、中国軍が南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島にあるウッディー(永興)島に今月、地対空ミサイル8基を配備したと報じた。
 米民間衛星が撮影した画像で判明した。今月3日の時点でミサイルは見られなかったが、14日に撮影された画像には管制レーダーとともに映っている。
 米政府筋は、射程125マイル(約201キロメートル)の移動式防空ミサイル・システム「紅旗(HQ)9」だとしている。HQ9はロシア製の「S300」に極めて類似している。部隊の規模は2個大隊。
 パラセル諸島は中国が 軍を駐留させ、滑走路を整備し戦闘機を配備するなど実効支配しており、ベトナムと台湾も領有権を主張している。米海軍のイージス艦は先月30日、同諸島で「航行の自由作戦」を実施しており、これへの対抗措置として今回、ミサイルを配備した可能性がある。


中国はスプラトリー(南沙)諸島に造成した人工島で、軍用機も離着陸可能な滑走路3本の建設を進め、すでに1本は運用を開始している。米政府はスプラトリー諸島でも今後、軍事拠点化の動きが、「防空識別圏」設定の潜在性と相まって加速するとみて警戒している。
 米国は再三、南シナ海における中国の軍事拠点化にくぎを刺してきたが、中国が意に介していないことが改めて浮き彫りになった。


米政府、中国の南シナ海ミサイル配備を非難
  BBC News
20160218日(Thuhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/6163
《維新嵐》アメリカも直接軍事行動にでることはありません。

領有権をめぐる対立が続く南シナ海で、中国による地対空ミサイル配備が報じられたことを受け、ジョン・ケリー米国務長官は17日、中国による海域の軍事化に対する「深い懸念」を表明した。
中国は報道を「作り話」だと否定する一方、国際法に基づく自衛の権利があるとしている。
資源が豊富な南シナ海では、周辺国が領有権を主張している。海域は通商上の重要な航路でもある。ケリー長官の報道官は、衛星写真は、中国がを裏付ける様子だと述べた。
中国が実効支配するウッディー島をめぐっては、台湾やベトナムも領有権を主張しており、ミサイル配備で緊張が大幅に高まることが予想される。
ケリー長官は、米国が中国とミサイル配備について「非常に厳しい対話」をするだろうと述べた。ケリー長官は、「なんらかの軍事化が進んでいるという、さまざまな証拠が連日届いている。深刻に懸念している」と述べた。
イメージサット社が撮影した2016年2月2日の衛星写真では、島の浜辺に何も写っていなかったが、14日に撮影された写真では、いくつかのミサイル発射台と関連車両が置かれているのが分かる。しかし、中国の王毅外相は西側メディアの作り事だと否定。王外相は、中国の関係者が住む島に「必要かつ最低限の自衛設備」を配備するのは、「自衛権をうたう国際法に沿うものだ」と述べた。
中国は海域で大規模な人工島の建設を進めており、建設は合法であり民間目的だとしている。しかし、同様に領有権を主張する他国から非難されているほか、海域の軍事化に対する懸念の声も高まっている。米カリフォルニア州で今週開かれた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議でも、南シナ海問題が話し合われた。オバマ米大統領は、緊張緩和のための「具体的な行動」を協議したと述べた。
(英語記事 South China Sea dispute: US attacks China 'militarisation')   
【日本の対応】完全にアメリカと連動して動く一心同体の同盟国
少なくとも官邸と現場は完全に一体となって対共産中国として動いていますね。
【海自が存在感、中国を牽制】P3C派遣しベトナム海軍と合同訓練

図上での洋上捜索訓練に参加~海上自衛隊&ベトナム海軍(ベトナム・ダナン)

2016.2.18 12:41更新 http://www.sankei.com/world/news/160218/wor1602180033-n1.html

海上自衛隊はP3C哨戒機2機を平成28218日までの3日間、ベトナム中部ダナンに派遣し、ベトナム海軍と合同で図上の洋上捜索訓練などを実施した。日本とベトナムの防衛協力をアピールし、南シナ海における中国の実効支配強化をけん制するとともに、自衛隊の存在感を高める狙いがある。
 ベトナムは南シナ海のパラセル(中国名・西沙)、スプラトリー(同・南沙)両諸島の領有権を中国と争っている。中国がパラセル諸島に地対空ミサイルを配備したことが判明したばかりで、自衛隊の派遣が中国を刺激する可能性もある。
 両国は昨年11月の中谷元・防衛相のベトナム訪問の際、南シナ海情勢をにらんだ防衛協力強化に向け、人道支援、災害救援目的の共同訓練の実施や、海自艦船のベトナム・カムラン湾への寄港で合意した。海自P3Cのベトナム訪問は昨年5月以来。

菅官房長官「重大な関心をもって情報収集・分析」・中国が南シナ海に機関砲配備

2016.2.18 18:04更新 http://www.sankei.com/politics/news/160218/plt1602180053-n1.html

菅義偉官房長官は平成28218日の記者会見で、中国が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に対空機関砲を配備したとの報道に関し、「報道は承知している。中国の動向は重大な関心を持って平素から情報収集、分析に努めている。具体的な内容については事柄の性質上控えたい」と述べた。菅氏は「南シナ海における大規模、急速な埋め立て、拠点構築、軍事的目的の利用など一方的に現状変更し、緊張を高める行為は国際社会共通の懸念だ」と強調。「航行と上空飛行の自由を守るために国際社会が連携していくことが極めて重要だ。引き続き関係各国と緊密に連携して対応していきたい」と語った。

もちろんアジア防衛の要である日米の海上戦力の訓練整備も怠りなく行っています。

海上自衛隊、米海軍第7艦隊とBMG特別訓練を実施 
配信日:2016/02/22 17:55
http://flyteam.jp/airline/japan-maritime-self-defense-force/news/article/60078
海上自衛隊は、2016222()から226()までの5日間、アメリカ海軍の横須賀基地と佐世保基地内などで、アメリカ軍第7艦隊とともに、弾道ミサイル防衛網(BMD)の特別訓練を実施します。
 参加部隊は、海上自衛隊の護衛艦「きりしま(DDG-174)」、「みょうこう(DDG-175)」、アメリカ軍から第7艦隊の艦艇などが予定されています。訓練では、弾道ミサイル対処に関する戦術技量の向上、日米の部隊間の連携要領をシミュレーションを通じて演練することを目的としています。
「きりしま(DDG-174)」にはヘリコプター甲板が備えられています。このBMG特別訓練は、2011年から実施されており、今回で6回目の訓練です。


【日米軍事連携の核心】日本はアメリカの属国というより、「権益を共有するパートナー」?

米第7艦隊旗艦が大阪寄港

2016.2.24 20:31更新 http://www.sankei.com/photo/story/news/160224/sty1602240020-n1.html

 神奈川県の米海軍横須賀基地を拠点とする第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」が平成28224日、親善を目的に大阪港に寄港した。大阪市港湾局によると、27日までに出港する予定。乗組員は大阪府内の児童養護施設などを訪問する。大阪への寄港は、東日本大震災の救援活動後の2011年5月以来。
 艦長のカイル・ヒギンズ大佐は、岸壁で報道陣の取材に応じ「寄港は日米の2国間関係を象徴するもの。海上自衛隊との連携があってこそ、東アジア地域の安定は可能になる」と話した。
 大阪港には寄港に反対する市民団体のメンバーら約20人が集まり「米軍はいらない」などとシュプレヒコールを上げた。
※アメリカ海軍は特に日本の児童福祉に深い理解があるわけではなく、共通の軍事パートナーへの配慮、米海軍のイメージ戦略の一環と考えられます。日米の防衛協力で子供たちの安全を守ります宣言かも!?その意図がわからないどこかの方々が大局のみえていない「反対」を叫んでみえます。日米両国のアジアでの共通利益の認識がある限り、日米同盟は崩れません。むしろロシアも巻き込んでこの流れを拡大して共産中国を牽制すべきです。

中国の国営メディア、「米艦艇に発砲せよ」と息巻く

ついに南シナ海にミサイルを配備、取り返しがつかない状態に

北村淳
2016.2.25(木)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46138
南シナ海の西沙諸島・永興島に中国が新設した三沙市(2012727日撮影、資料写真)。(c)AFPAFPBB News

南沙諸島(スプラトリー諸島)で中国が建設を猛スピードで進めている7つの人工島の1つ、スービ礁周辺海域に、201510月、アメリカ海軍が駆逐艦と哨戒機を派遣して「FONOP」(公海航行自由原則維持のための作戦)を実施した(本コラム「遅すぎた米国『FONOP』がもたらした副作用http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45163)。
 その後、しばらくFONOPが繰り返されることはなかったが、2016130日に、すでに30年以上も中国が実効支配を続けている西沙諸島(パラセル諸島)の中建島(トリトン島)周辺海域でアメリカ駆逐艦によるFONOPが実施された。
 中国側はこのようなアメリカの姿勢に対応して、西沙諸島の政治軍事的中心である永興島(ウッディー島)に地対空ミサイル部隊を展開させた。
 それに対してアメリカ政府は、南シナ海の軍事的緊張を一方的に高める動きであると非難した。すると中国国営メディアは、「中国の主権的海域に軍艦を送り込むアメリカの行動こそが、南シナ海の平和的安定を損なう元凶である」と反論し、「アメリカ軍艦に発砲、あるいは体当たりして、アメリカに教訓を与えなければならない」と中国共産党政府に注文をつけた。
初めて南シナ海の島に地対空ミサイルを設置
永興島をはじめとする西沙諸島は、ベトナム戦争で混乱している1974年に中国人民解放軍が南ベトナム軍との戦闘を経て占領した。それ以来、今日に至るまで中国が名実ともに支配を続けている。
 中国は永興島を拠点にして西沙諸島の支配を維持してきた。そして永興島には、南シナ海に点在している西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島を管轄する三沙市の政府機関が設置されている。また永興島には大型ジェット旅客機だけでなく戦闘機や輸送機や爆撃機などが発着できる2700メートル滑走路を有する航空施設と、フリゲートや多くの駆逐艦を含んだ5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設も整っている。さらに、人民解放軍守備隊も常駐している。
 これまで永興島には、しばしば戦闘機が配備されることはあったが、地対空ミサイル部隊や地対艦ミサイル部隊が配備されることはなかった。216日に確認された地対空ミサイル部隊の配備は、南シナ海の島嶼に人民解放軍が初めて展開した地対空ミサイル部隊である。
(米海軍関係者によると、かつて中国とベトナムの軍事的緊張が続いていた時期には、人民解放軍は永興島に高射砲部隊を配備していたという。しかし近代的地対空ミサイルが持ち込まれたのは今回が初めてである。)
 ちなみに、今回配備されたのは紅旗9型(HQ-9)地対空ミサイルで、発射装置はじめ火器管制装置や制御装置などはすべてトレーラーに積載され、地上を自由に動き回ることができる。そのため、敵の攻撃を受けにくいミサイルシステムである。HQ-9の最大射程距離は200キロメートルで、高度3万メートルまでの各種航空機や巡航ミサイルを迎撃することができるとされている。
HQ-9(TEL)
多数の“シビリアン”を居住させる理由
人民解放軍は、アメリカ海軍が先ごろFONOPを実施した中建島ではなく、また今後もFONOPが実施されるであろう南沙諸島のスービ礁をはじめとする人工島でもなく、永興島に地対空ミサイル部隊を展開させた。
それには理由がある。すなわち、政府機関や航空施設そして港湾施設や漁業関連設備もある永興島には多数のシビリアン(非戦闘員)が居住しているからである。
「シビリアンが居住しているがゆえに、ミサイル部隊を配置した」というのは、何もシビリアンを守るためという意味ではない。多くのシビリアンが居住している島嶼は、各種ピンポイント攻撃兵器を有しているアメリカ軍といえども、そう簡単には攻撃することができないからである。
 したがって、南沙諸島で建設が急ピッチで進められている7つの人工島にも、3000メートル級滑走路や港湾施設などとともに気象観測所、海洋研究所、漁業設備、観光施設などの“民間施設”が次から次へと誕生するはずだ。そうやって多数の“シビリアン”(南シナ海で操業する漁民の多くは本格的軍事訓練を受け小火器を携行する海上武装民兵である)を居住させて、「アメリカ軍の軍事的強迫から中国市民を守るため」という理由で地対艦ミサイル部隊や地対空ミサイル部隊を配備するであろうことには疑いの余地がない。
巡視船を攻撃することはできない
国営メディアは「アメリカに教訓を与える」ために「米艦に発砲し、体当たりせよ」と息巻いている。だが、永興島に配備されたのは地対空ミサイル部隊である。よって、このような威勢の良いプロパガンダは、南シナ海や東シナ海での侵攻主義的海洋戦略の主役と位置付けられている海警局巡視船を想定してのものと思われる。
「発砲せよ」というのは、海警局巡視船によるFONOPを実施する米駆逐艦に向けての警告射撃を意味している。そして「体当たりせよ」とは、海警局も人民解放軍海軍も公言し、現に実施している米艦艇への体当たり作戦のことである。
 海警局巡視船の中には、海軍フリゲートから移籍した比較的強力な火砲を搭載した巡視船や、体当たり戦法によって大型駆逐艦をも撃沈させられる超大型巡視船もある。そのため、「ただのこけ脅しの掛け声に過ぎないとは見なせない」と米海軍関係者たちは危惧している。
 もちろん、いくら強力な機関砲を数門搭載していようが、体当たり戦法によって駆逐艦を沈めるだけの巨体であろうが、海警局巡視船はあくまで巡視船である。対艦ミサイルや魚雷それに多数の火砲を搭載している駆逐艦が本気で立ち向かえば、たちどころに巡視船など撃沈してしまう。
しかし、巡視船は軍艦でないゆえに、軍艦にとっては「ミサイルや魚雷で攻撃することができない」というジレンマを抱える最大の難敵なのだ。
「中国の巡視船が退去警告を発しながら我艦に突貫してきた場合、いくら我々が中国の領海とは認めていない公海上とは言っても、中国巡視船を攻撃することはできない。あらゆる手段を駆使して衝突を回避し、現場から退避することになる。南シナ海をパトロールする米海軍艦艇の指揮官たちは、神経をすり減らす日々が続くことになるだろう」と米海軍関係者たちは嘆いている。
 それだけではない、これまでの人工島建設のスピードから判断すると、南沙諸島の人工島に多数の“シビリアン”が居住し、地対艦ミサイル部隊や地対空ミサイル部隊が配備される日はそれほど遠くはない。その暁には、それら人工島周辺200キロメートル空域を“侵犯”した航空機は撃墜される可能性が生じる。また、同じく人工島周辺海域を航行するアメリカやその仲間の軍艦は、常に対艦ミサイルの餌食となる覚悟をしなければならなくなる。
やがて青円内は飛行・航行危険域になるかもしれない
取り返しがつかない状態になりつつある
それらの島嶼から人民解放軍ミサイル部隊を排除するには、中国共産党政府を説得して「お引き取り願う」か、軍事的に叩き潰してしまうかのいずれかしか方法はない。しかし、非戦闘員が多数居住する島に展開した地上移動式ミサイル部隊を、精密攻撃によって壊滅させることは神業に近い。
 まさに米海軍戦略家が言うように、「アメリカ政府が、中国共産党政府に対して波風を立てないように、腫れ物に触るような態度を取り続けてきたことが、悪夢のような状況を生み出しつつあるのだ」

《維新嵐》共産中国のメディアは、大変正直な方たちばかりでわかりやすいですな。
米中のミリタリーバランスがとれているうちは、お互いミサイルを打ち合うことはないでしょう。共産中国は、アメリカの泣き所をよく研究しているかと思います。湾岸戦争やイラク戦争、アフガン戦争での無人機の攻撃などの弊害で多くの民間人が犠牲になり、反米感情が醸成されたことを逆手にとろうとしていますね。ですがイラクのフセインがとってくれた民間人を軍事攻撃のたてにするやり方は、やり方自体が非人道的で非難の対象になります。人工島に民間人がいることは、周知の事実。戦争に巻き込まれるリスクが高い地域に自国民を居住させていること自体国際法的観点からすれば、非難に値することなのではないでしょうか?




2016年2月21日日曜日

情報戦争の裏側 ~「大国」の国益の守り方~

【ロシアがソ連から引き継いだ毒殺史】日本の元外務省調査員や首相の長男にも魔手が

政治部専門委員 SANKEI EXPRESS  野口裕之


猛毒を混入したお茶を飲まされ、ロンドンの病院で治療を受ける元ロシア諜報機関・連邦保安庁(FSB)中佐のアレクサンドル・リトビネンコ氏。入院から22日後に死亡した=2006年11月(ゲッティ=共同)

英国・独立調査委員会が1月に公表した報告書の報道に接し、深い闇の中より「あの事件」がほんの一瞬“顔”をのぞかせた、気がした。報告書は、元ロシア諜報機関・連邦保安庁(FSB)中佐のアレクサンドル・リトビネンコ氏(当時43歳/英国籍)が、猛毒の放射性物質ポロニウム210を混入したお茶を飲み、ロンドンで暗殺された事件(2006年)に、ウラジーミル・プーチン大統領(63)が関与していた可能性を指摘した。
 動機は、プーチン氏が政権を掌握する契機となった1999年のアパート爆破事件がFSBの自作自演だった過去を、リトビネンコ氏が明らかにしたためという。本件が露諜報機関員による暗殺なら物的証拠は残さぬが、報告書には状況証拠が満載だ。だが、筆者が95年に追跡した事件には状況証拠すらなかった。日本の戦後最大のスパイ事件の発覚後、19年も経過して謎の死を遂げる元外務省調査員の名前は、産経新聞の連載《戦後史開封》を担当した際入手した、600ページにのぼる《部外秘》の捜査関係資料に在った。


「ラストボロフ事件」の闇

 身辺調査や尾行結果、供述内容がびっしりと収まった資料は、冷戦中のソ連諜報機関の凄味を凝縮した《ラストボロフ事件》であぶり出された日本人スパイ36人を網羅していた。とりわけ印象深かった人物が、元外務省アジア局第2課調査員の室井正三(仮名)だった。
 室井は54(昭和29)年2月5日に警視庁に自首。ソ連の2等書記官を装う内務省諜報機関員ユーリ・ラストボロフ中佐(当時33歳)に「米軍極東情報部地理課員時代の51年以来、約40回にわたり情報提供した」と自供した。情報は「朝鮮戦争(1950~53年休戦)の休戦交渉決裂の場合、米軍は中国の本土爆撃と海上封鎖を実行」「沖縄には戦術核が到着」などを含んでいた。報酬は計68万5000円。米軍での月給が手取り2万5000円~3万円、外務省の手取りが1万5000円だった頃である。
 室井を追ったが、既に死亡していた。妻=当時(65)=や関係者を説得し、資料の内容を確認・捕捉した。「闇の世界」は小説の中だけではなかった。


第一幕《54年2月3日夜7時半、都内のアパートで節分の豆まきを終えた室井は窓を閉める際、電柱の陰に口笛を吹く人影を見た。妻に「たばこを買いに行く」と言って出た。資料では「たばこ」が「仁丹」だったが、妻は「たばこは買い置きがあったのでいぶかった」ことを覚えており、室井の記憶違いかもしれない。肩をたたかれた室井が振り向くと、中国人風の男が「自殺しろ」と、低いロシア語でささやき、走り去った。2日前、在日ソ連代表部(大使館に相当)が「ラストボロフは挑発目的の米国諜報機関に拉致された(実は亡命)」と発表していて、口封じで「消される」と直感した》

19年後の謎の死

 第二幕《妻は回想する。「翌日夜10時、真っ青の顔の主人に打ち明けられ愕然とした。バッグに下着や預金通帳を詰め、住人に悟られぬよう素足で階段を降り、上野の旅館に隠れた。4回目の結婚記念日だったが一晩中、逃亡か自首かを話し合った」》
 第三幕《室井は事件後4回、居所を変え反省したかに見えたが、日本の公安組織も甘くはない。63年6月19日以降、ソ連側との接触を確認している。前後して、室井は石油開発会社の常務となる。「数日日本で、30~40日をソ連で過ごすハードな生活の繰り返しだった」と妻。自民党親ソ派大物代議士や経済人の推薦を受け、ソ連での石油開発を手掛けていたのだ》


終幕《73年3月、室井はモスクワ行き民間航空機内で不可解な死を遂げる。乗り合わせた新婚旅行中の医師は大学教授になっていたが、記憶は鮮明だった。
 「脈がなく呼吸停止、瞳孔が開いていた。東京監察医務院の判定からはクモ膜下出血や脳内出血の症状。発作後数分だった。皮膚が紫がかるチアノーゼが観られたので、嘔吐(おうと)に因(よ)る窒息や超劇症型の可能性がゼロではないが、一般的には死の兆候が早過ぎる」
 教授は「死ぬ1時間前に『薬を飲み間違えた』と周りに語っており、すっきりしない一件だった」と、筆者に対し毒殺を否定しなかった》

暗殺を認める法律

 ロシアの石油は今、露諜報機関やマフィアが牛耳る「危ない利権」だが、70年代のソ連には石油不足に悩む西側への外交カード。安全保障では同盟する日米が、石油獲得ではソ連にすり寄り対立する「もっと危ない利権」だった。その最前線で、室井はソ連コネクションを駆使、石油獲得を狙い失敗した。


米国諜報機関の犯行とも推定できるが、ソ連の毒殺史も年季が入っている。米国は第二次世界大戦(1939~45年)中、末期がん患者の1人に210を水に溶かして与え、4人に注射を打ったが、6日間生きた1人を除き、微小な投与で極短時間で死亡した。核爆弾開発《マンハッタン計画》に携わる関係者の生命に関する影響を検証する人体実験とみられる。ソ連は1920年代に《毒物研究所=第12号研究室やラボXの別称アリ》を創設。ドイツ軍捕虜に210を服用させる人体実験を行ったようだ。近衛文麿・首相(1891~1945年)の長男・文隆氏(1915~56年)も毒殺したとされる。ソ連側公表の「動脈硬化を発端とする脳出血と急性腎炎」は、到底信じ難い。戦後11年もの間、過酷な抑留・拷問に耐え、協力者要請を拒絶した若くハツラツとした貴公子が、敗戦・占領で虚脱した日本の指導者に迎えられる→生気を取り戻した日本に、ソ連収容所の表裏を知り尽くす首相が誕生…。こうした構図はソ連にとり最悪だった。「一服盛った」との有力観測は、この辺りより浮上する。


露議会は2006年、反露分子やテロリストの暗殺を認める法律を通過させた。半年もしない内にリトビネンコ氏は暗殺された。もっとも、通過前にもロシアやソ連が絡む毒殺事件は少なくなく、法律など無用だろう。

 210はウランの330倍強い放射線を出し、1グラムの摂食・吸引で1000万~1億人を殺戮できる。当然、リトビネンコ氏の内臓はズタズタだった。「見せしめ」にはもってこいの、人間の所業とも思えぬ残酷さではないか。

《維新嵐》 リトビネンコ氏は気の毒ですし、そこまでひどいことをしなくても、とは思いますが、そこまでしてでも守りたい、知られては困るような機密事項漏洩に関わっていた、ということでしょうね。

甘利元経済再生相の秘書口利き疑惑は、中国によるTPP妨害工作の一環ではないのか?!

政府が極秘に調査

2016.2.20 08:00更新 http://www.sankei.com/premium/news/160220/prm1602200020-n1.html

甘利明前経済再生相の事務所不正疑惑に関し、政府機関が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の妨害工作として海外諜報組織の関与がなかったどうか極秘に調査を開始した。TPPが動き出すと不利益を被る中国の関与が黒幕として疑われていて、“スパイ天国”と呼ばれる日本の問題が思わぬところに波及している。世界が政治、経済、安全保障で各国と密接につながる中、日本国内での諜報員による妨害工作への懸念も高まっている。
 政府関係者は「千葉県の建設会社が道路新設工事をめぐる補償交渉で、甘利氏側に金銭提供などの動きを強めてきた時期がTPP交渉の大詰めを迎え、2月の協定署名に向けた時期と重なる」と指摘する。
 日米が主導したTPPは新たな世界の経済ルールとなる見込みで、「経済覇権で軍事拡大を含めた国力増強を目指す中国にとってTPPは不都合だ」と語る。
 また、今回の疑惑で「建設会社の総務担当者が甘利氏側とのやり取りを告発したことは、建設会社の経営にも大きなダメージが出る可能性も高い」と告発の狙いをいぶかる声もある。
 このため日本政府機関が、外国諜報員によるTPP締結への妨害工作で建設会社側に関与がなかったか内密に調べるという。
 TPP交渉筋は、「そもそも日本国内は各国機関が自由に行動できる状態で、中国など多くの諜報員が派遣されている」と交渉内容を漏らしてはいけない立場から警戒感を強めていた。


日本政府は、英米のような英秘密情報部(MI6)や米中央情報局(CIA)などの組織を持たず、日本国内での対応も重視してこなかった。
 外国の犯罪組織に関しては警察や公安調査庁が対応できるものの、大学研究者や企業職員などの肩書で身元を伏せながら活動する諜報員への対応は甘いと指摘されている。
 一方、各国の経済政策はグローバル市場が浸透するなかでそれぞれの通貨や株価市場に影響を与える。

 加盟国の国内総生産(GDP)で世界の約4割を占めるTPPのような大規模ルールでは、各国の思惑が複雑に入り交じり、利害も対立する。
 交渉国間での情報戦は当たり前で、日本政府も交渉相手からの盗聴についても警戒しながら協議やミーティング、連絡など行っている。
 また、交渉外にいる国が協議状況の内密に把握し、時に阻止に向けた対応を検討することも通商交渉や国際協定において驚くことではないという。
 日本政府は昨年12月に海外で国際テロ関連の情報を収集する「国際テロ情報収集ユニット」を立ち上げたが、国内で暗躍する外国諜報員への対応も急務となっている。

《維新嵐》 甘利氏の閣僚辞任は確かに作為的なものを感じていましたが、年始の国会の直前でTPPの署名式を控えてのことでしたし、当時、経済再生大臣でTPP交渉の全権を任されていた甘利氏は「反対勢力」からすれば、落としやすいポジションでしょう。
ですが、これらは、大臣を辞任させるには、意味としては弱いかと思います。
共産中国の工作員が甘利氏辞任の関わった可能性があれば、野党である民主党の国会へむけての布石とみれなくもない。
目標を確実に達成しておいて、当事者は知らん顔でいられるのが情報戦の強みですし、何より中核から攻められますね。外国の工作員ならその国の国益が絡んでくるわけですが、我が国もヒューミントによる情報戦を駆使できるだけの法律は、やられてばかりの国なので急務ということは確実にいえますね。