2017年1月3日火曜日

アメリカがサイバー攻撃への強硬姿勢を譲らない理由

オバマ氏、サイバー攻撃の報復宣言

20161217 07:53 発信地:ワシントンD.C./米国http://www.afpbb.com/articles/-/3111606?utm_source=yahoo&utm_medium=news

1217 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は20161216日、今年の米大統領選前にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した際、同国の関与が疑われているサイバー攻撃について、「やめろ」と伝えていたと明らかにした。

 米情報機関はこのサイバー攻撃について、プーチン大統領に批判的な民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を敗北させ、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を当選させることが狙いだったとの見方を示している。
 退任まで5週間となったオバマ大統領は1215日、公共ラジオ局NPRとのインタビューで、大統領選へのサイバー攻撃をめぐりロシアに報復措置を取る意向を表明していた。
 オバマ大統領は翌1216日に開いた年末の記者会見で、ロシアが米民主党にサイバー攻撃を行ったとの報告を今夏に受けたと説明。その後、このハッキング行為が大統領選の票集計妨害にエスカレートする事態を阻止すべく措置を講じたと述べた。
9月上旬に中国でプーチン大統領と会った際、これ(ハッキング)を止めるための最も効果的な方法は、本人に直談判してやめろと伝え、さもなければ重大な結果を招くことになると言うことだと、私は感じた。実際にその後、大統領選へのさらなる妨害行為はみられなかった」
 オバマ大統領はさらに、「ロシアではプーチン氏なしに起きることはあまり多くない」と述べ、サイバー攻撃にプーチン氏が直接関与していたとの見方を、これまでの発言の中で最も強く示唆した。(c)AFP

《維新嵐》 当初はオバマ氏はプーチン大統領に対して直接抗議、次に強硬な姿勢に出ています。ロシアには慎重に対応した、ということなんんでしょうが、サイバーコマンドまで抱えるアメリカがなぜこうまでサイバー攻撃に神経質なくらいな対応をみせるのでしょうか?

米国、選挙介入で対ロシア制裁発表 情報員35人追放
AFP=時事201612/30() 4:43配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161230-00000002-jij_afp-int


AFP=時事】(更新)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は20161229日、今年の米大統領選で起きたサイバー攻撃をめぐるロシア情報機関への報復として、同国の情報員35人の国外退去処分を含む一連の厳しい制裁措置を発表した。
 オバマ大統領はこれに先立ち、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が11月の大統領選での大胆なサイバー攻撃を直接指示したとほぼ断定していた。民主党員の多くは、自党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏との接戦に競り負けた要因の一つとして、このサイバー攻撃があったと考えている。
 トランプ氏の大統領正式就任を3週間後に控えた今、今回の制裁措置がロシアとの緊張を高めるのは必至だ。
 オバマ大統領は、「ロシア政府による米当局者らに対する攻撃的な嫌がらせ行為や、米選挙を狙ったサイバー攻撃への報復として、一連の措置を指示した」と発表。
 制裁措置はロシアの連邦保安局(FSB)と軍参謀本部情報総局(GRU)などを対象としており、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定された情報員35人の追放に加え、「情報収集関連の目的で使用されている」とされるニューヨーク(New York)州とメリーランド(Maryland)州のロシア関連施設2か所の閉鎖が含まれる。
 米政府は、GRUが米選挙に介入する意図をもって情報を盗み出し、FSBもそれを支援したと主張している。制裁の対象には、FSBに加え、イーゴリ・ワレンチノウィッチ・コロボフ(Igor Valentinovich Korobov)長官を含むGRU高官4人と、別の3団体も含まれる。
 これに加えて米財務省も、「悪意あるサイバー活動への関与」を理由に、個人2人に対し、米国内の全資産を凍結し、米企業との取引を禁止する制裁を科すと発表した。【翻訳編集】 AFPBB News

《維新嵐》 かなり強硬な外交姿勢で臨んでいますね。IPアドレスの独自分析などか?アメリカは匿名性の高いサイバー攻撃の発信者を特定できる技術があるのでしょうか?


カウンターインテリジェンスをロシアにしかけるアメリカ?

「ロシア高官がトランプ氏祝福」米情報機関、通信傍受か
201716 2247 http://news.livedoor.com/article/detail/12507100/

 ロシアが米大統領選にサイバー攻撃で介入したとされる問題に絡み、ワシントン・ポスト紙などは20171月5日、ロシア政府高官らが互いにトランプ次期大統領の勝利を祝福する通信を米情報機関が傍受していた、と伝えた。ロシアによる介入の傍証の一つとしている。
 米情報機関は介入問題について、オバマ大統領の指示で50ページ以上の報告書を作成し、5日に提出。その中で傍受についても記載された。これらのロシア高官の中には、サイバー攻撃について認識していたと米当局がみている人物が含まれているという。
 サイバー攻撃では、トランプ氏の対立候補だった民主党のクリントン氏側のメールが内部告発サイト「ウィキリークス」で暴露されたが、米情報機関は流出に関与したロシア側の人物も特定しているという。
「ロシアの直接介入、前例ない」米情報機関トップ
ワシントン=杉山正
2017161034http://www.asahi.com/articles/ASK162D6TK16UHBI006.html?ref=livedoor

 ロシアが米大統領選サイバー攻撃で介入したとされる問題で、米情報機関のトップ、クラッパー国家情報長官20171月5日、上院軍事委員会の公聴会で証言した。ロシア政府の関与の可能性について「非常に強い」と証拠に自信をみせ、疑問を呈するトランプ次期大統領を批判した。
 クラッパー氏は、「今回のようにロシアが選挙キャンペーンに直接介入してきたのは前例がない」と指摘。さらに「ハッキングは一部に過ぎず、以前からあるプロパガンダや偽情報、虚偽ニュースなどの手法も使われた」と話した。


《電力網というアメリカの弱点》
(『サイバーインテリジェンス』伊藤寛著 祥伝社 2015年9月)

 電力会社で事故がおこると、電力網は将棋倒しにつぶれていく性質がある。
そうならないように、電力会社は常に電力消費量をモニターしながら発電量を調整している。さらに問題が発生した場合、そのブロックを切り離すといったコントロールが行われる。
 その重要なコントロールは、現在インターネットを利用している。
しかしそこには大きな問題がある。
 
 アメリカでは、早い時期からインターネットが導入されたため、いろいろなシステムが混在している。そもそも発電会社と送電会社も別々の存在である。それらの中では、あちこちで古いシステムがそのまま使われていたりするのだ。ほんの数年前まで、ダイアルサインアップだった電力網があったくらいである。一般公衆回線の電話線から入れてしまうのだから脆弱で危険極まりないが、なかなか最新のサイバー環境への更新が進まなかった。
 連邦政府が「危ないから最新のシステムに変えてください。」とお願いしても地域の小さな電力会社に「コストがかかる。」「お金がない。」と言われてしまえば、強制は難しい。アメリカは民主主義を旗印に掲げた資本主義の国である。中国やロシアのように上意下達で統制できる国とは違う。法律なしに国が企業に対して命令することはできない。
 しかしアメリカは50州それぞれに別々の法律がある連邦国家だ。今日にもおこり得るサイバー攻撃にはどうにもまにあわない。
 ライフラインの重要な基盤がインターネットに依存していて、それがダイアルサインアップという古い技術から最新技術まで、各社バラバラという状況だから、攻撃者からみれば一番弱いところを狙って落とせばいい。前述のように電力網は将棋倒しに潰れていくのだから。
 こうした問題点を、アメリカは10年ほど前から認識している。だから2006年から隔年で実施されている「サイバーストーム」という大規模な官民合同の演習においては、当然のように電力網への攻撃が想定されている。

《維新嵐》 オバマ政権の時の共産中国、北朝鮮、ロシアなどへのサイバー攻撃への厳しい外交姿勢には、上記のようなアメリカ国内の社会状況を背景とした事情を考えずにはいられません。
 いわば社会的ネットインフラの弱点を突かれないように外交で「防衛」しているわけですが、匿名性が高いサイバー攻撃において、どこまで有効な外交抑止手段となるでしょうか?
 確かに米国内のエネルギーインフラの脆弱性を狙われれば、アメリカ社会への衝撃はすさまじいことでしょう。

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