2015年10月24日土曜日

米中大戦勃発か!?人民解放軍は中距離弾道ミサイルと地理的条件が強みか?

米中衝突で勝つのはどっち?20年間で軍事

力格差が大幅に縮まる米シンクタンク
2015108() 1536 http://www.recordchina.co.jp/a120571.html

 2015106日、米シンクタンクのランド研究所は、1996年から2017年にかけての米国と中国の軍事力増強を比較した報告を発表した。この間で両国の軍事力格差は大幅に縮まっていることがわかった。ボイス・オブ・アメリカ中国語サイトが伝えた。


 報告では台湾海峡とスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)で衝突が発生したことを想定し、米中の空、ミサイル、海、宇宙、ネットワーク、核兵器5分野での軍事力を比較している。
※ランド研究所は、なぜ宇宙戦とサイバー戦を含めなかったのでしょうか?

 1996年には米軍があらゆる分野で絶対的な優勢を占めていたが、2017年になると台湾では鍵となる任務の実行に困難をきたし、スプラトリー諸島での絶対的優勢も崩れているという。だからといって中国が勝利するというわけではないが、米国にとって大きな壁となりうる。東アジアで衝突が起こった場合、中国が地理的優勢などをもつため、米軍の力はかなりの程度打ち消されるだろう。 
※兵站線では共産中国が有利という意味での地理的優勢でしょうか?
※アメリカ第7艦隊の実力が十分評価されていると理解が深まるかと思います。平時においても中国大陸に展開する弾道ミサイル基地は第7艦隊の戦略原潜にモニターされていますから、開戦とともにすべてつぶされます。兵站線も海上において確立できなければ、解放軍に有利といえるかどうか?

 ランド研究所の研究員は、米中には共通の利益と協力を必要とする分野が多数存在するとしつつ、「両国には台湾問題などで対立がある。中国と台湾との問題ではあるが、米国は平和裏に台湾問題が解決されることを願っている」と述べた。 
※実際、共産中国は台湾を戦わずに併合するべく戦略を実行していますね。戦争による被害は両国ともさけたいから、主流になるのは、レーダーサイトの探知能力、迎撃能力などの電子戦、サイバー戦、工作員による諜報戦になってくるはずです。

 米国が最も懸念しているのは巡航ミサイルと弾道ミサイルが米軍基地にとっての脅威となることで、アジアの米軍基地は数に限りがあるため、巡航ミサイルと弾道ミサイルは実質的な脅威となるという。報告者は、米中は対話を維持することが必要で、この報告が思考と討論のきっかけになることを願うと述べた。(翻訳・編集/岡本悠馬) 
※長射程巡航ミサイル、潜水艦発射型弾道ミサイル、対艦弾道ミサイルは、有事ではなく平時の状態からアメリカ軍への有効な抑止力になっている、と文面からは読み取れるように感じます。

中国軍が米軍に追いつく日

20151019日(Mon http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5486


 201592日付の米ロサンゼルス・タイムズ紙で、中国軍事専門家のロジャー・クリフ米アトランティック・カウンシル上席研究員が、同紙記者のインタビューに応じる形で、中国人民解放軍の実力について分析しています。
 すなわち、軍事力を分析する際、戦車や兵員の数など物質的側面に注目しがちだが、どれほど訓練・組織されているか、兵士の質も重要である。
NHKスペシャル人民解放軍
米軍兵士のようによく訓練された中国兵
 最近の中国軍はハードウェアの面でも向上しているが、より驚くべき発見は兵士の質が上がっていることだ。もはやかつての農民兵ではなく、現在の中国軍は米軍兵士のように、よく訓練されているように見受けられる。
 中国軍がすぐに米軍を追い越すことはなくても、差が縮まっているのは事実だ。中国軍が配備しようとしているシステムは、米軍の構成に似てきている。
 一方、米軍が使っている装備の多くは、198090年代に就役したものだ。というのも、米国はここ10年、中東での低強度叛乱戦に足を取られ、次世代システムへの進歩をあまり行ってこなかったからである。2020年までに中国軍の装備は、2000年の米軍と同じような形となるはずだ。一方、米軍の装備は2020年になっても、それほど近代化が進んでいないだろう。
 1999年頃から、中国軍は、第二次大戦初期のドイツ軍のように、正面から戦闘するのを避け、迂回と機動を重視して敵の弱点を突くドクトリンを強調し始めた。しかし、中国軍は、こうしたドクトリンを実行できる組織構造・文化を持っていない。迂回と機動を重視するドクトリンを用いるならば、分散化され、現場が最適な意思決定をできるようになっていなければならない。また、前線部隊同士は、互いに直接連絡がとれるような水平的連携が必要となる。だが、中国軍の組織構造はこの逆だ。極めて中央集権的で、あらゆる決定が上層部に回される。誰もイニシアチブや責任をとりたがらない。
 組織文化にも同じ問題がある。機動性、革新性のあるドクトリンを望むなら、イニシアチブや創造性などリスクを冒すことを評価してくれる組織が必要だが、中国軍は規律と忠誠心を評価する組織で、現場指揮官が一瞬の機会を生かして迅速な決断をできるようにはなっていない。これは中国軍の根本的弱点だろう。
 中国軍にとっての利点の1つは、起こりうる紛争が彼らの裏庭で生起するであろうということだ。米国が戦争に巻き込まれる場合、地球の裏側にまで戦力を投射する必要があるが、中国は自分の庭で戦えるというのが利点となる。
腐敗は2つの点で重要だ。第1に、腐敗と関連する明確なコストがある。腐敗でやりとりされる金は、装備を買う代わりに、昇進を得るために使われている。組織の効率性にも問題が生じる。昇進に賄賂が絡んでいると、昇進できるのは最も多額の賄賂を提供できる者となり、能力の高い者が出世できなくなる。
 腐敗は忠誠心を高く評価する組織ではびこりがちだ。問題は、中国指導部がこの根底にある価値観を変えずに、腐敗を撲滅しようとしている点である、と述べています。
***
 中国軍事問題専門家のロジャー・クリフが中国軍の強みと弱みについて解説しています。中国軍の開発した最新兵器の個々の具体的状況については言及を避けているため、物足りなさは残りますが、巨視的に見て傾聴すべき内容となっています。
人民解放軍戦闘訓練
兵器開発レベルは20年遅れ
 クリフによれば、中国軍事兵器のハードウェアのレベルは、目に見えて上昇しつつあり、米国軍事兵器との差はどんどん縮まりつつあります。大まかに見て、その兵器開発のレベルは米国と中国の間でまだ20年ぐらいの差があるものの、最近の中国の兵器の近代化の進展状況には警戒を怠ってはならない、と警鐘を鳴らしています。
 米国の軍事兵器との差が縮まってきた大きな理由の1つに、米国はこの10年余り、中東の低強度の紛争に対処することに重点を置いてきたので、次世代の最新兵器の開発がおろそかになってきた、と言います。
 クリフは中国軍の持つもう1つの利点として、兵士の質がかなりあがってきたことを挙げており、中国兵はかつて思われていたような「農民兵(a peasant army)」ではなく、質的によく訓練された兵士になってきた、と述べています。
 他方、中国軍がもつ大きな弱点として、中央集権的であらゆる決定が上層部にまわされ、現場では誰もイニシアチブをとろうとせず、責任をとる手続きが極めて曖昧であるとし、同時に、腐敗汚職が軍内部にも浸透している、と指摘しています。
 中国軍はクリフの指摘するような強みと弱みをもちつつも、先日の軍事パレードに見られたように、近代化のレベルにおいて米国兵器との差を一段と縮めつつあるのは間違いないところでしょう。
 今後西太平洋で起こり得る紛争は、米国から見れば地球のほぼ裏側まで戦力を投射しなければならない事態ということになりますが、中国にとっては自分の「裏庭」で戦えるという有利さがあります。中国の対外拡張主義に変化のないかぎり、安保法制を整えた日本が今後、この地域で安全保障上果たすべき役割は、増えることはあっても、減ることは無いでしょう。
人民解放軍・対日本戦を想定した軍事演習
※人民解放軍の弱点は、どうもハードな軍事装備だけでなく、本質はそれ以外にあるようですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿