2016年8月24日水曜日

【海軍は国防の要】ロイヤルネイビーの真実!?

【世界屈指の海軍力を誇るイギリス】のはずなんですが・・・

陸軍10万人、海軍4万人、空軍4万人の合計18万人の兵力を保有する。
多くの場合にアメリカと共同軍事行動を行う。

イギリス海軍の象徴といわれる。

軽空母「イラストリアス」、「アークロイヤル」(16000t級の空母)

②艦上攻撃機の開発に着手する。

空母を大型化しなくてもいいように、空軍で使用されていた垂直離着陸機ハリアーを改造して「シーハリアー」として空母艦上に配置した。1982年のフォークランド紛争にて活躍した。2006年にシーハリアー全機が退役した。

③強力な「王立海兵隊」(ロイヤルマリーン)

帆船時代に、敵の船に乗り移り銃や刀剣で戦った勇敢な白兵戦専門部隊を起源とするイギリス海兵隊は、沿岸警備隊の役目も与えられている。麻薬密輸船や密航船などを捜索して取り締まっている。

④陸軍の主役「チャレンジャー2戦車」

最高時速59㎞、55口径120mm砲装備。欧米の他の戦車と比較すると機動性でやや劣るといわれる。

⑤最新鋭機を配備する空軍力

ユーロファイタータイフーン戦闘機

イギリス、イタリア、スペイン、ドイツの共同開発。高度な空中戦闘能力と対地攻撃能力をもつ。全長15.9m、最大速度マッハ2.0、航続距離2900㎞、実用上昇限度19800

トーネード戦闘機


イギリス、ドイツ、イタリアで共同開発された。最高速度マッハ2.2、約1000機が生産されている。

小さくとも強力な打撃力をもつ軍隊は、集団安全保障、国際支援の場でもめざましく活躍することが多いですね。イギリス連合王国の軍隊は、まさに「ジョン・ブルの粘り」でアメリカとパートナーシップを組んで「世界の警察」の一翼を担いながら存立を維持してきた我が国とも深い関わりをもつ軍隊です。
 そんな名誉と伝統のあるイギリス軍が「財政難」から実質的な意味で存立の岐路にたたされている現状があるようです。
 確かに第二次大戦の時は、ナチスドイツや大日本帝国と戦い、太平洋では「不沈戦艦」とよばれたプリンスオブウェールズを撃沈されたり、ナチスのV-2号やV-1号によって首都ロンドンを破壊されたことで、戦勝国となった後もなかなか往時の勢いを取り戻すことができませんでした。一番の痛手は戦前に海外に獲得、運営されていた植民地がことごとく独立をはたしてしまい、万全を期すはずのイギリス連邦構想では十分起爆剤にならなかったということでしょうか?
 強力な軍事力の構築にはやはり財政力、経済力が不可欠です。必要な予算をだせずにいれば、確実に徐々に軍事力は減退し、他国に侮られることになるのは昨今のイギリスの状況がよく示しているといえるでしょう。

イギリス陸軍第16空中強襲旅団パラシュート連隊

最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓:コラム
Reutes  DavidAxe
© REUTERS コラム:最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓

20168月11日ロイター]かつて世界最強と謳われた英海軍だが、それも今は昔だ。米国をはじめとする同盟国にとっては、これはゆゆしき問題である。
伝統的に、英海軍は米海軍にとって最も緊密なパートナーだった。ほぼすべての敵に対して、両軍は共に戦ってきた。したがって、英海軍の実力が低下すれば、米政府にとっての海軍力も損なわれてしまう。
だが今日、英海軍にかつての面影はない。政府の予算編成担当は、繰り返し、しかも過剰に、海軍の艦艇・人員を削減してきた。今や英海軍は辛うじて自国の領海を哨戒できる程度で、英国の威光を海外に及ぼすことなど論外である。
英政府はようやく海軍衰退の流れを逆転させることを約束したが、手遅れかもしれない。士気は低下し、残された少数の艦艇は海上で頻繁に故障を起こしている。英海軍の症状は末期に至っているのではないだろうか。
しかも、これ以上ないほどタイミングが悪い。過激派組織「イスラム国」を打倒し、攻撃的な態度を強めているロシアを抑え、大国として華々しく台頭しつつある中国に対処するために、西側諸国は兵力の動員を進めている。これまで以上に不安定さを増しているように見える世界において、対立する財政需要の帳尻合わせに苦心する資金不足の各国政府にとって、英海軍の凋落は客観的な教訓を与えてくれる。
そう、海軍には金がかかる。長期的な計画や労力、資金が必要となる。はっきりした紛争がない平時には、艦隊を持つメリットが見えにくい場合が多い。
だが、海軍は依然として国防の要である。海軍は高度な探知能力と強力な長距離兵器を備えて国際水域を哨戒することにより、(近隣に滑走路が必要となる)空軍や、(移動により時間がかかる)陸軍に比べ、より迅速に危機に対応し、多くの火力を投入できる。
海軍を粗略に扱い、衰退させてしまえば、それによって生じた空白をすぐさま埋めるのは、ならず者国家やテロリスト、犯罪者だ。広大な海洋を監視するには海軍が必要なのだ。かつて世界有数の存在だった海軍が消えてしまえば、そこには実質的に、安全保障の真空地帯が生まれる。
第2次世界大戦中は、英海軍はまだ権勢を誇っていた。1944年のノルマンディー上陸作戦「Dデイ」には、欧州をナチスドイツから解放する連合軍部隊を護衛するため、英海軍は900隻以上の自国艦艇を英仏海峡の反対側に送り込むことができたのである。
1982年においても、英海軍はフォークランド諸島をアルゼンチンから奪い返すため、戦闘機を配備した2隻の空母を含む、少なくとも115隻の艦艇を集結させることができた。
今日、英海軍はジェット戦闘機さえ持っていない。最後のハリアー戦闘機も2010年に退役してしまった。現在の保有艦艇はわずかに89隻である(ちなみに米海軍と、国防総省が保有する支援艦艇群である海上輸送司令部を合わせた保有艦艇は約400隻だ)。

<削減によるダメージ>

英防衛予算は1988年の対GDP比4.1%から2010年には2.6%へと着実に削減され、それに伴って英海軍の艦艇数も減少していった。2010年の削減により、防衛予算は実質ベースでさらに8%減った。2015年の防衛政策見直しの一環として、英政府は、艦艇数の削減停止を公約した。だが、すでにダメージは生じている。
書類上では、英海軍の艦艇89隻には、ヘリコプター航空母艦1隻、強襲揚陸艦6隻、駆逐艦6隻、フリゲート艦13隻、攻撃型潜水艦7隻、弾道ミサイル潜水艦4隻が含まれている。残りは掃海艇、哨戒艦その他の補助艦艇であり、多くは米国の沿岸警備隊が保有する小型の巡視船と同程度の規模だ。
強力な敵と戦って生き残るために十分な探知能力や火力兵器・防御力を備えた、本当の意味での一線級の艦艇と考えられるのは、駆逐艦6隻、フリゲート艦13隻、攻撃型潜水艦7隻のみである。それ以外は、危険の伴う水域では護衛を必要とする。
任意の時点で、ほぼ半数の艦艇は定期点検又は訓練に入っている。それ以外にも数隻が小規模な定点哨戒に従事しているため、緊急事態に対応できるのは少数の艦艇しか残っていない。
だがそれも、艦艇を動かす十分な兵員がいることが前提だ。英海軍は艦艇よりも速いペースで人員を削減している。海軍の現役将兵は、2000年の時点で3万9000人だった。現在は2万9000人をわずかに越える程度で、少なくとも2000人の欠員が生じている。
艦隊編成の担当者は、最も強力な艦艇2隻を編成から外すことで人員不足に対処しようとした。今夏、23型フリゲート艦「ランカスター」の乗員を他の艦艇に分散させた。
また、新型の45型駆逐艦「ドーントレス」は発電機に深刻な問題を抱えて修理のために帰港しており、修理は早くとも2019年までかかる可能性がある。「ドーントレス」の乗員も他の艦艇に振り分けられた。
これらの艦艇が任務から離れているため、英海軍の実質的な戦力は、戦闘艦26隻から、過去最低となる24隻まで低下している。
今年の7月、新型の攻撃型潜水艦「アンブッシュ」が、ジブラルタル海峡で商船と衝突した。潜水艦は深刻な損傷を受け、修理のために本国に曳航された。修理には最短でも数カ月を要する可能性がある。
この事故で、英海軍の水中戦闘能力は15%近く低下。これにより、英海軍には予備戦力がほとんど存在していないことが露呈した。

<世界の大半から撤退>

予算削減が進むなかで、英海軍の艦隊は世界の大半から撤退していった。2010年以前は、ソマリア沖での海賊対策において英海軍は主役を担っていた。だが2012年、英国政府は海賊対策への恒常的な参加をひっそりと終わらせてしまった。
英国は、本土にずっと近い場所でも艦艇不足を感じている。2014年1月、プーチン大統領の下で復活しつつあるロシア海軍のミサイル巡洋艦が北海を航行し、スコットランドまで30マイル(約48キロメートル)の距離まで接近した。
だが、唯一展開可能だった駆逐艦「ディフェンダー」はイングランド南岸のポーツマス港にいた。「ディフェンダー」は24時間かけて600マイルを航行し、スコットランドに向かった。同艦はようやくのことでロシア艦を捕捉し、双方の乗員のあいだで数回の無線交信を行った後、ロシア巡洋艦を英国の領海外へと誘導した。
その数カ月後、「イスラム国」戦闘員がイラク北西部に侵入。イラク政府による撃退を支援するため、各国は空・海軍を動員した。だが過去1世紀のなかで初めて、英国はほとんど何の貢献もできなかった。固定翼機を支援する能力のある航空母艦を保有していなかったためだ。
英政府は10年以上にわたり一貫して英海軍の削減を続けているが、これが国家安全保障に悪影響を及ぼすことを否定している。政府はその根拠として、新たなフリゲート艦、駆逐艦、潜水艦、そしてF35ステルス戦闘機を搭載する新型の大型航空母艦2隻を建造する、数十億ポンド規模の建艦プロジェクトが複数あることを指摘している。
だが、新造艦はあまりにも少なく、就役も遅すぎる。また、旧型艦を代替するには武装が貧弱だ。もちろん、艦隊の拡大・強化には程遠い。

<空洞化トレンド>

近年、英海軍は42型駆逐艦12隻を、新型の45型駆逐艦わずか6隻に交代させた。より大型で武装も強化されているが、機械的な信頼性が低い。さらに、かつて旧型艦が担っていた任務に対応するには艦数が少なすぎる。
艦隊は、旧型となった「スウィフトシュア」級及び「トラファルガー」級攻撃型潜水艦12隻の代わりに、「アスチュート」級をわずか7隻就役させようとしている。45型駆逐艦の場合と同様、「アスチュート」級も、旧型に比べ大型で、より多くの武器を搭載している。
だが、これまた45型と同様に、「アスチュート」級は運用が難しいことも判明している。いずれにせよ、旧型の潜水艦がかつて哨戒していた海域すべてをカバーするには十分ではない。
現在、艦隊には旧型である23型フリゲート艦が13隻所属している。政府が承認した新型の26型フリゲート艦の建造計画はわずか8隻だ。一方、艦隊の戦力を維持するため、より小型の31型フリゲート艦を少なくとも5隻は建造すると約束している。だが、軽武装の31型では、より重武装のロシア艦に対する頼りになる抑止力となるには、火力も防御も不足している可能性がある。
実際のところ、英国の最新型艦艇の多くは、驚くほど軽武装である。英国政府は過去2年間で数隻の小型軽武装の哨戒艦を発注した。旧型艦の退役と相殺すると、英海軍では、小型で火力不足の艦艇の投入により見た目の艦数を維持しつつも、実際の戦力は着実に低下していくという空洞化トレンドが続いている。

最も良い例が、新型の航空母艦だろう。2隻の「クイーンエリザベス」級は、全長920フィート(約240メートル)、排水量6万トン以上で、英国がこれまでに建造したなかでも最大の軍艦である。これが2020年に就役すれば、英海軍は、2010年にハリアー戦闘機を退役させた時点で失った海上航空能力を回復することになる。
だが、「クイーンエリザベス」級は、もっと大規模な艦隊を想定して計画されたものだ。航空母艦には、英国が現状で提供できるよりも多くの航空機と護衛艦艇が必要である。たとえば米海軍では、航空母艦1隻には、搭載機60機、駆逐艦及び巡洋艦3─4隻、潜水艦1隻、補助艦艇数隻が必ずセットになっている。
英海軍としては、展開するのは航空母艦1隻のみで、もう1隻は本国に待機させておく想定である。新型航空母艦に搭載するF35戦闘機は12─24機の予定で、艦の能力を十分に発揮するには少なすぎる。さらに、航空母艦に随行・支援するために必要な艦艇(護衛のために必要なフリゲート艦及び駆逐艦3─4隻、補給のための支援艦数隻)を配備すれば、英海軍が展開可能な戦力を独占してしまうことになる。
6万トン級の航空母艦は、50機以上の航空機を収容できる。英国政府が購入を計画しているF35戦闘機はわずか48機で、任意の時点で、その多くが整備又は訓練に回っている可能性がある。
海軍は、確かに複雑でお金がかかる。艦隊に関心を払うのをやめてしまえば、どこかに消えてしまう。英国の同盟国にとっては、そこに大きな教訓がある。


*筆者は軍事情報サイト「War Is Boring」の編集者で、ニュースサイト「Daily Beast」に定期的に寄稿している。またWIREDのウェブサイト「Danger Room」や雑誌「Popular Science」でも執筆している。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
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イギリス空母クイーンエリザベス

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