2016年8月8日月曜日

問答無用の尖閣諸島への侵略行為 ~共産中国の今後の動きは?~

中国艦船・戦闘機の「これまでと違う」動きをどう見るか

プレジデントオンライン 古是三春

尖閣諸島周辺で軍事衝突の可能性

20166月は、我が国周辺の海洋における安全保障情勢に、画期となる出来事が起きた。
201669日未明に中国が「領有権」を主張する尖閣諸島内の接続水域に初めて海軍フリゲート艦を侵入させたこと、続く2016615日未明には海軍情報収集艦を鹿児島県口永良部島西方の領海に侵入したことがそれだ。
更に、616日以降、尖閣諸島周辺の領空近くに中国空軍戦闘機が接近し、スクランブルをかけた航空自衛隊機に戦闘機動(空対空ミサイル発射やドッグファイトに入る直前の空中動作)をしかけることが繰り返され、空自機は自己防衛システムを使用して離脱したことが明らかになった(元空将の織田邦男氏が2016628日付でニュースサイトに発表)。
中国国防相は201674日に「日本の戦闘機がレーダーを照射した」と反論しているが、尖閣諸島周辺は、海、空の両方で軍事衝突の可能性がにわかに現実のものとなったのである。
69日未明、中国海軍の「ジャンカイ型」フリゲート艦による尖閣諸島の西部分――久場島、大正島間の接続水域に対する侵入は、きわめて異例な状況下で起きた。ロシア海軍艦艇の同水域通過とほぼ同時並行して、事態が生起したのだ。
その直前の68日夜、海上自衛隊は尖閣諸島の北と南で警戒監視のために護衛艦を配置していた。北側は、久場島北方に遊弋(ゆうよく・海上を動き回ること)する中国フリゲート艦に対応する「せとぎり」、南側はあらかじめ尖閣諸島内の接続水域を通過すると予想されていた駆逐艦を含むロシア海軍艦艇3隻に対応する「はたかぜ」である。
ロシア連邦大使館の説明によると「ロシア軍艦は東シナ海方面での定期的演習の往来で通過したもの」とのこと。実際、過去何度もロシア海軍艦艇は同じコースを通過していた。接続水域は、領海に隣接する12カイリの範囲で領海側を実効支配する国が犯罪行為などについて取締権を有する海域のことだ。通常、外国軍艦を含む船舶が通行することは問題ない。

「安全保障上のヘソ」を突いたロシア艦

しかし、この久場島、大正島という2つの島は日中間の「領有権」をめぐる諍いがある場所に含まれているので、中国軍艦については接続水域航行を「問題なし」として見過ごすことはできない。
同時に、ここはきわめて微妙な性格をはらんだ存在なのだ。実は二つの島とも沖縄県施政権返還以前から米海空軍の射爆場であり、返還後は日米地位協定に基づく「提供施設」として米軍管理下にある。中国が「領有権」を主張する島々の中にある米軍の「足場」であり、実は1978年以来、射撃や空爆の標的にされる演習が実施されていないのに米側は「引き続き必要」として施政権のある日本に返還しないまま経過している。
米国は日中の諍いがある尖閣諸島について、「(日本の施政下にある以上)日米安保条約第5条の適用範囲にあるが、領有権の帰属については関与しない」とのスタンスだ。安保第5条「米国の対日防衛義務規定」で米軍が防衛する対象ということだが、この言い分は前述の事実をふまえればおかしな話だ。自国で「領有権の帰属」を明言できない他国=日本の領土を提供してもらって、米国が自国軍の管理下に置いていることになるからだ。

中国艦船・戦闘機の「これまでと違う」動きをどう見るか

こうした微妙な性格をもつ島の間を、米国とは安全保障上のライバルともいえるロシアの軍艦がわざわざ通行したのである。そこに何かしらロシア側が含む意図があると考えるのが当然だ。同地はいわば日・米・中3国の「安全保障上のヘソ」であり、中国艦船が遊弋し日本側とにらみ合いを続ける下でこの場所を衝くような行動は、まことに“いやらしい”ものといわざるを得ない。当然、今回の騒ぎの中で、ロシア軍は日米の対応を跡付け、交信を傍受していたことは想像に難くない。
ロシア艦艇3隻は、201668日午後950分、南から久場島~大正島間の接続水域に入ったが、その約20分前、接続水域北側でロシア艦艇接近を察知したと見られる中国海軍フリゲートが、警笛をならして接続水域に向かって直進していた。9日午前050分、中国フリゲート艦は久場島北東の接続水域に入り、その結果としてロシア艦艇を追尾するような動きを示した。

中国艦の“ロシア艦艇追尾”は「現場の判断」

尖閣諸島接続水域への中国軍艦の侵入後、外務省は午前2時に程永華駐日大使を呼びだして抗議。程大使は「(尖閣諸島の)主権は中国にあり問題ない」としつつも「エスカレートは望まない」と述べた。尖閣諸島周辺海域には中国公船(海警局)が遊弋して領海侵入をしばしば行うが、海軍艦艇は70100km離れて位置するのが通常であった。日本の実効支配区域の接続水域に「領有主張」を行う中国軍艦が突然入り込むことは、挑発行為である。
しかし、日本の抗議に対して低姿勢になるような方程式を中国は持たない。15日午前330分頃、今度は中国海軍情報収集艦が口永良部島の領海に侵入。1時間半にわたって領海内を航行したあと、屋久島南の海域から領海外に出た。
この際、日本政府は係争地域でもないことから抗議しなかったが、中国軍艦による領海侵入は12年ぶり、2度目である。9日未明の件とあわせて中国海軍による我が国周辺での行動を懸念する旨、外務省から在東京中国大使館(劉少賓次席公使)に対して伝達された。
この間、周辺海域では1017日の期間で日米印海上合同演習「マラバール」が実施されていた。中国情報収集艦が領海侵入した際は、近くに演習参加中のインド海軍艦艇(フリゲート艦2隻と補給艦)が行動中で、これを監視・追尾するような動きを示していたという。
筆者は、中国軍関係筋に尖閣でのフリゲート艦の動きについて意図を問うたところ、「現場の艦長の判断権限で『主権維持活動(尖閣接続水域での遊弋とひんぱんな領海侵入)』をロシア艦艇に対して行ったのだろう」との回答だった。2010年以来の中国公船による日常的な「主権維持活動」が、今後は「現場の判断」で海軍艦艇が尖閣諸島を含む我が国領海周辺をわがもの顔に行動しかねないということだ。

21世紀に入ってから、「領海法」などを制定し海洋権益追求に乗り出した中国。フィリピン、ベトナムなどと衝突しながら、南シナ海では占拠した岩礁を埋め立てて7つの人工島からなる拠点まで作ってしまった。昨年(2015年)からは米国もこれを座視せず、「航行の自由作戦」と称して航空機、艦艇による中国側主張の「領海」「領空」への侵入も繰り返し、事態の固定化を阻止しようとしている。
日本もターゲットに入れた中国海軍の行動をとどめる道は、力にだけ頼ればかなり危ういものとなる可能性がある。硬軟両面での巧みな対峙が求められる。


《維新嵐》何としても自衛隊に「第一撃」をさせたい人民解放軍の意図がわかります。軍事行動の「大義名分」がほしい意思があります。

中国軍機の挑発を「空自機がレーダー照射」とうそぶく中国…日本政府はもっと毅然と対応できぬのか?

「最前線の隊員が脅威に感じていることが防衛省首脳や官邸中枢にまで正確に届いていない。東シナ海上空の実態を正確に国民や国際社会に公表しなければ、中国の横暴はさらに加速しかねない」
 ある防衛省関係者はこう危惧する。
 6月中旬、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の公海上空に中国軍機が接近した。航空自衛隊の戦闘機が沖縄県の那覇基地から緊急発進(スクランブル)して退去を呼びかけたが、中国軍機は“前例のない攻撃動作”を仕掛けて挑発してきた。ドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれる危険を察知した空自機は、不測の事態を避けるため敵機のレーダー誘導ミサイルなどを撹乱(かくらん)する装置を噴射しながら空域を離脱した-。
 この一触即発の事案は、元空自航空支援集団司令官の織田邦男元空将がインターネット上のニュースサイトで発表することで明るみにでた。産経新聞も織田氏本人や複数の政府関係者らを取材し、同様の事案が実際に起きていたことを確認。他のメディアよりも早く、詳細に報道している。東シナ海上空で中国による軍事的圧力が強まっていることに、強い危機感を覚えるからだ。
 ただ、こうした警鐘に対する政府の反応は、今ひとつスッキリしない。萩生田光一官房副長官は2016年6月29日の記者会見で、中国軍機が6月17日に東シナ海を南下し、空自機がスクランブルをかけたことを認めた。その一方、中国軍機による空自機への攻撃動作はなかったと否定。さらに、記事を書いた織田氏に関し「個人的には遺憾だ」と批判までした。

冒頭の防衛省関係者は「官邸や防衛省は誰が織田氏に情報を流したか“犯人探し”に躍起になっている。今すべきことはそんなことではないはずだが…」と漏らす。
 日本政府が“ダンマリ”を決め込んでいる間、中国は世論戦を仕掛けてきている。中国国防省は7月4日、東シナ海で起きた事案について事実とは正反対の驚くべき声明を発表した。
 中国の声明によると、中国軍機2機が6月17日、東シナ海上空に設定したとする防空識別圏内をパトロールしていた際、自衛隊機2機が高速で近づき、レーダーを照射したという。
 空自のパイロットは世界最高峰の技量を持ちながら、専守防衛を基本とするため、世界で最も抑制的な操縦を強いられている。たとえ自身や味方の戦闘機が危険にさらされたとしても、先制攻撃と捉えられる行為は厳に慎む。中国機に先んじてレーダーを照射し、挑発行為に及ぶことなどあり得ない。
 中国側の嘘と空自への侮辱はさらに続く。中国国防省は、中国軍機が反応したため、自衛隊機は赤外線誘導ミサイルなどを撹乱する火炎弾フレアを使って「逃げた」と主張。その上で、「自衛隊機の挑発的な行動は空中での偶発的な事件を引き起こし、双方の人員を危険にさらす」と持論を展開し、偶発的な衝突を回避する日中防衛当局間の「海上連絡メカニズム」の運用開始に向け、挑発をやめて歩み寄るよう要求してきた。もはや開いた口が塞がらない。

中国の一方的な指摘に対し、萩生田氏は7月5日の記者会見で、「中国軍用機に対して挑発的な行為をとった事実は一切ない」と反論。空自機の対応に関して「国際法および自衛隊法に基づく厳格な手続きに従って行った。日本側からレーダーを使用してロックオンをした事実もない」と強調した。ただ、中国機から空自機への攻撃動作などは発生していないとの主張はいまだに崩していない。
 中国の危険な行為に沈黙を貫くことがプラスに働かないことは、過去の経験からも明らかだ。平成22年9月、尖閣諸島の領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に激しく船体をぶつけてくるという事案が発生した。しかし、当時の菅直人政権は、中国への配慮からか現場を収録したビデオを公開しようとしなかった。
 その間、中国は一貫して事実と異なる主張を展開。日本側に衝突の責任を押しつけ、謝罪まで要求してきた。臆面もなく“黒”を“白”と主張するのは中国のお家芸ともいえる。結局、元海上保安官の一色正春氏が独断でビデオを公表したことで、中国の嘘が白日の下にさらされた。
 日本政府がこのまま手をこまねいていれば、中国の軍事活動と嘘はますます膨張する。すでにその兆候は表れ始めている。防衛省によると、日本領空に接近した中国軍機に対する空自機のスクランブル回数は、今年4~6月で199回にのぼった。昨年の同時期から85回も増加し、四半期ベースでは過去最多となった。活動空域も日本領空近くまで着々と南下してきているという。東シナ海上空で日本の領土、領海、領空を守り抜くためには、日本政府は事実をすべて公表し、毅然(きぜん)とした態度で臨むしかない。(政治部 石鍋圭)


《維新嵐》 「海上連絡メカニズム」は、我が国に有利なように設定すべし。東シナ海での紛争抑止につなげなければ意味がない。

中国海軍による尖閣接続水域航行
ロシア海軍を識別できていなかったのか
東シナ海での危機管理メカニズムが急務

小谷哲男 (日本国際問題研究所 主任研究員)
20160614日(Tuehttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7032

中国海軍の艦船が、201669日未明に尖閣諸島周辺の接続水域を初めて航行し、東シナ海における日中間の緊張が再び高まっている。ロシア海軍が先に同海域に入ったこともあり、中国側の意図やロシア海軍の動きとの関連など、不明な点が多い。以下では、中国海軍の動きを分析し、今後の東シナ海情勢の見通しを考えてみたい。
共産中国の意図とは何か?

尖閣について特定の立場をとっていないロシア
 まず、時系列を追ってみよう。
 82150分ごろ、ロシア海軍の駆逐艦や補給艦など艦船3隻が尖閣諸島の久場島と大正島の間の接続水域に南から入った。3隻は5時間余りにわたって接続水域を航行したあと、9305分ごろ、久場島と大正島の間を北に向かって接続水域から出た。ロシア海軍の動きは、海上自衛隊の護衛艦「はたかぜ」が監視していた。
 82130分頃、尖閣諸島北方の海域に遊弋していた中国海軍フリゲート艦が突然警告音のような汽笛をならし、南下の動きを開始したため、付近で警戒監視していた護衛艦「せとぎり」がこれを追跡した。9050分ごろ、同フリゲート艦が、久場島の北東で接続水域に入り、南側に向かったあと、Uターンするように向きを北向きに変え、およそ2時間20分にわたって接続水域の中を航行した。この間「せとぎり」が監視を続け、航行の目的などを確認するため、無線で呼びかけを続けた。同フリゲート艦は、310分ごろに大正島の北北西で接続水域から出て、そのまま北の方向に航行した。
 この間、公邸にいた安倍晋三首相にはリアルタイムで情報が入り、対処については、シンガポールに外遊中の中谷元防衛相が米軍との連絡も含めて実施した。齋木昭隆外務事務次官は、中国の程永華大使を2時に外務省に呼び出し、挑発行為について抗議をした。程大使は尖閣諸島の主権を主張し、抗議は受け付けないとするも、「事態のエスカレートは望まない」と回答した。
まず、ロシア海軍の動きはどのように理解するべきだろうか。ロシア海軍が今回の航路を取ったことはこれまでもあった。今回尖閣の接続水域を航行したロシア艦船は、インド洋や東南アジアなどでの訓練を終えて、母港のウラジオストックに帰港中だったと考えられる。
 日露戦争時、バルチック艦隊がバルト海からインド洋、そして対馬海峡を目指した時も、尖閣諸島が属する八重山諸島付近を航行したことを考えれば、今回も通常の航路を通ったとみるのが正しいだろう。ロシアは尖閣諸島の領有権について特定の立場をとっておらず、ロシア海軍が接続水域内を航行することは、国際法上も問題はない。このため、日本政府もロシアに抗議をしていない。
中国海軍はロシア海軍を識別できていなかったのか
 では、中国海軍の動きはどのように分析できるだろうか。これまでのところ、2つの見方が存在する。
 1つは、日本がホストしたG7伊勢志摩サミットで、それぞれウクライナと南シナ海における行動を批判された中ロが連携して、日本に圧力をかけたという見方である。中国のメディアは「中ロ連携行動」と報道している。だが、この見方には無理がある。まず、ロシアが尖閣諸島の領有権に関して中国と歩調を合わせれば、フリーハンドを失い、中国に利用されることになる。また、中ロ両政府が連携していたならば、東京の中国大使館も事態を把握していたはずだが、深夜に外務省に呼び出された程大使は事態を知らなかったと日本側は分析している。
 もう1つは、中国海軍が、ロシア海軍が接続水域に入ったことに便乗したという見方である。 ロシア海軍が接続水域に入るのを確認した中国海軍は、「主権維持行為」の一環としてロシア艦艇の監視を口実に、接続水域に入るという既成事実を作った。現場の艦長には、その程度の決定権はあると考えられ、このような突発的事態であれば、軍より格下の外交部(中国外務省)に連絡が入ってなくても不思議ではない。共産党政治局にも事後連絡でよい。
 実際の時系列をみれば、この2つ目の分析の方が説得力はある。しかし、それでも疑問は残る。中国海軍は、尖閣の接続水域に入ったのがロシア海軍だと認識していたのだろうか。中国海軍は尖閣諸島の北方にいたが、ロシア海軍は南から接続水域に入っている。中国海軍のレーダーもその動きは探知していたはずだが、識別までできていたかは疑問だ。東シナ海を24時間常続監視している日本とは違い、中国にはそこまでの監視能力はまだない。
 仮に中国海軍がロシア海軍を識別できていなかったとすれば、次のような分析も可能だ。尖閣の北方にいた中国のフリゲート艦は、レーダーで4隻(ロシア海軍3+海自1隻)の船影が尖閣の接続水域に接近し、入るのを確認した。ただし、識別はできておらず、海自が4隻の護衛艦を接続水域に入れてきた場合に備えて、確認および「主権維持行為」のために北方から接続水域に入り、ロシア艦船であることを確認した上で、接続水域から離脱したというものだ。つまり、中国海軍がロシア海軍を識別できていなかったため、今回の事態が起こった可能性がある。
 201511月には、中国海軍情報収集艦が、尖閣諸島南方の接続水域の外側で反復航行する事案が初めて確認された。その他の中国海軍艦船も、尖閣諸島により近い海域で確認されるようになっていたが、接続水域には入らなかった。中国側は、軍艦を接続水域に入れることは日本側の対応を招き、事態が拡大することを認識していたはずだ。だが、日本側が先に海自を接続水域に入れれば、中国側も接続水域、さらには領海に入る手はずだったのではないか。
 日本がロシアに抗議をしなかったように、中国にしてもロシア海軍が尖閣の接続水域を航行することには何の問題もない。接続水域にいるのがロシア海軍だとわかっていれば、中国海軍が「主権維持行為」を行う必要もない。ロシア海軍だと識別できていなかったために、接続水域に入るというリスクの高い行動を取らざるを得なかったと考えられる。
「東シナ海は安定している」
国際社会の誤解
 この見方が正しいとすれば、尖閣諸島周辺における中国側の監視・識別能力が不足しているため、第三国艦船という想定外の要因によって、東シナ海における緊張が拡大する可能性を示している。また、意図はどうであれ、中国海軍が尖閣の接続水域に入るという前例ができた以上、今後も同様の事案が発生する可能性は非常に高い。
 このため、日本は中国による一方的な現状変更の試みに毅然と対処し、南シナ海だけでなく、東シナ海においても中国の行動が緊張を高めていることを国際社会に訴える必要がある。
 国際社会には、南シナ海問題に対する懸念を強める一方、東シナ海は安定していると誤解する傾向がある。中国の政府公船(国家海警局所属)は、領海の外側にある接続水域にはほぼ常駐し、およそ10日間接続水域に留まった後、領海に数時間侵入し、帰還するという行動パターンが確認されるようになったからだ。2015年度に中国の政府公船が尖閣諸島の領海に侵入した回数は、前年度と同じ34回だった。
だが、14年度は3000トン級以上の大型船の割合は35%であったが、15年度は60%に増えた。海警は、12000トンと通常の軍艦よりも大きい巡視船も所有するようになっている。2015年末以降は機関砲を搭載した船による領海侵入も発生するようになった。頻度は変わっていないが、実際の状況はますます悪化しているのだ。このことを積極的に国際社会に発信し、東シナ海でも中国の行動を牽制する必要がある。
海上連絡メカニズムを先行させよ
 他方、日中防衛当局間で協議が行われてきた「海空連絡メカニズム」の運用開始も急務だ。
 日中は、「海空連絡メカニズム」の中身、つまり防衛当局間にホットラインを設置すること、定期行儀を行うこと、および艦船および航空機同士が連絡に使う無線の周波数については原則合意している。ただ、中国側がこのメカニズムを尖閣諸島の領海と領空でも適用することを主張しているため、運用開始ができていない。これを領海と領空でも適応するなら、中国はこれを日本の領海と領空を侵犯する口実に使うだろう。それは認められない。
 他方、中国の空軍は領空でのメカニズム適応にこだわっているが、中国海軍は領海での適用には必ずしも固執していない可能性が高い。仮にそうであれば、「海空」を切り離し、海自と中国海軍の間の海上連絡メカニズムとして先行運用してはどうか。米中にも同様の枠組みがあるが、海軍同士の枠組みを先に作り、後に空軍同士の枠組みを作っている。
 危機管理のメカニズムができても、中国の現状変更行動を抑制することには直接つながらないだろう。メカニズムがある米中双方の軍同士でもいまだに一触即発の事態は起こっている。だが、危機が起こった際に、米中が直接連絡するメカニズムは機能している。日中間で危機を適切に管理するためにも、海上連絡メカニズムを先行させることが望ましい。
《維新嵐》 共産中国は、東シナ海の天然ガス採掘田を海上監視拠点に設定。
中国、東シナ海ガス田にレーダー=軍事利用の恐れ、政府抗議
時事通信201687()956分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160807-00000070-jij-pol

 東シナ海の日中中間線付近で中国が開発するガス田施設1基に、水上レーダーと監視カメラが設置されたことが分かった。
 日本政府関係者が7日明らかにした。周辺海域にある16基のガス田施設でこうした構造物が確認されたのは初めて。外務省は将来的な軍事利用の可能性もあるとみて、中国政府に抗議するとともに、撤去を求めた。
 外務省によると、「第12基」と呼称しているガス田施設のヘリポート付近に水上レーダーと監視カメラが確認された。同省は画像をホームページ上で公開している。
 在北京日本大使館の次席公使は5日、中国外務省に「目的と用途が不明で、資源開発の既成事実化は受け入れられない」と抗議し、撤去を求めた。しかし、中国側は「主権の範囲」との従来の立場を繰り返し、応じなかったという。
《維新嵐》 やれやれ戦闘機の接触未遂から2ケ月で共産中国の「侵略の先兵」である漁船団がやってきた!彼らは軍人の身分とされない「なんちゃって漁民」。南シナ海での過ちは繰り返すな。
尖閣海域に現れた中国漁船240隻、その正体は何?「キャベツ戦略」について
広瀬隆雄20160807 08:20http://blogos.com/article/186236/

201686日、尖閣諸島周辺の水域に中国漁船240隻が進入し緊張が高まりました。

そこで「なぜこんなに多くの中国漁船が、統一行動をとっているの?」という素朴な疑問が湧くわけです。

中国漁船の活用に関しては、以前に米国の地政学サイト、ストラトフォア(Stratfor)が長尺記事を書いています。以下はその要点をかいつまんだものです:

中国の沿海には数十万にものぼる民間漁船が操業している。中国はその一部を民兵(militia=武装民間人)化している。民兵化された漁船には軽兵器や簡単な監視装置が持ち込まれ、号令が掛けられたら、それに応じられる準備がある。
 民兵化漁船には、沿岸警備隊より目立たないという利点がある。それらを活用することで、取り巻きの支配(ambient control)を確立することができる。民兵化漁船の正確な数は把握できない。
 民兵の活用は、古来より行われてきた手法である。その存在により、正規軍が効果的に動ける、諜報活動ができる、などの利点がある。また中国本土では、かつて「骨までしゃぶる(bleed an invader dry)」作戦のために民兵が活用された歴史がある。
 現在、中国の軍事予算の3%程度が、そのような民兵組織の育成・維持に割かれている。
 もともと中国の民兵化漁船は、中国の沿岸を台湾の国民党の攻撃から守る目的で、1950年代に登場した。
 中国が南シナ海の領土主張をはじめたのは1970年代だが、その際、民兵化漁船も参加、バラセル諸島を南ベトナムから奪取した。
 漁師たちからすれば、自分たちの安全や生活権の「自衛」のため行動しているわけだ。
 民兵化漁船は、これまでにスプラトリー諸島、パラセル諸島、スカーボロー礁で衝突事件を起こしている。
 海軍の艦船を芯として、その周りに何層もの民兵漁船団や民間の漁船で護り、効率的な監視、諜報網を構築する手法を中国では「キャベツ戦略」と呼んでいる。
 中国の沿海は、乱獲のため近年、魚が取れなくなっている。同様にマレーシア、ブルネイ、タイランド、インドネシア、フィリピン沖でも過剰な漁のせいで海産物のストックが危険に晒されている。各国の漁師たちがピリピリしている一因は、漁場と生活を守る必要性にある。
 民兵化漁船は正規軍ではないため政府の管理下ではない。統率のとれた行動が取れるとは限らない。勝手にいざこざを起こすかもしれない。日々の指揮に関してはそれぞれの地域のリーダーに一任されている。現場では漁師たちが勝手に判断を下し、行動を起こしてしまう場合もある。
 なお民兵化漁船は、中国だけではない。ベトナムも中国に対抗するために民兵化漁船を組織している。

かつて五島列島に共産中国の漁船団がおしよせたことがありましたね。漁船を連ねてくる民兵戦略には常に警戒が不可欠でしょう。




《維新嵐》 とりあえず防衛白書最新版を見る限りでは、日本政府は、現状はよくよく認識されていると感じますね。次の一手をどうするか、が肝心でしょう。

日本が防衛白書で中国の南シナ海などでの海洋進出を批判、中国は反発=米国ネットの反応は?
201683 830 http://news.livedoor.com/article/detail/11841725/

201682日、ロイター通信によると、日本政府は同日の閣議で了承した2016年版の防衛白書で、中国による海洋進出について「強い懸念」を示した。

484
ページに及ぶ防衛白書では、中国が南シナ海などで強硬に海洋進出を行っており、「自国の一方的な要求を妥協なく満たそうとしている」と指摘。また、仲裁裁判所の判決については拘束力があるものだと主張し、中国に判決を受け入れるよう求めている。中国国営新華社通信は、防衛白書について、「中国のイメージ悪化を図ろうとして中国脅威論を煽り立てている」と批判した。

この報道に、米国のネットユーザーがコメントを寄せている。

「南シナ海に5000隻の漁船を送り込み、中国を打ちのめせばいい」

「中国製品の不買運動をすればいい。お金がなければ、軍事力を維持できなくなり、すべては終わる」

「ロシアと中国の海軍が来月に南シナ海で軍事演習を行うよ」

「世界で仲良くやっていこうとする国はもうないのか?」

「アジアのすべての国は中国を阻止するために緊急会議をすべきだ」(翻訳・編集/蘆田)


《維新嵐》 基本は、ネット、すなわちシギントを活用した情報戦略で共産中国を封じ込めよ!共産中国に、中距離弾道ミサイルと長射程巡航ミサイルがある限り、状況は我が国に有利とはいえない。我が国の原発が、常に人質にとられている状況ですから。
 共産中国に核弾頭を使わせない戦略、戦術と同時に「脱原発」を進めてエネルギー需要を転換していくことが重要。国家安全保障の観点からみても原発は大きなリスクをはらんでいることを日本人はもっと認識すべきでしょう。もし原発がなくせないなら、トマホーク巡航ミサイルを購入して、海洋沿岸部にある共産中国の原発をロックオンしていくのも効果的です。






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